HSCが抱える心身の不調〜朝起きられなくて学校にいけない…起立性調節障害(OD)

2020年7月よりHSCちゃんを育てるHSP母のコラムを
15名のメンバーで日替わりでアップさせていただきます。

さまざまな立場からの、さまざまな年齢のHSCちゃんの子育て現場レポをどうぞ。

 


 

わたしはソレンセン式神経反射療法という
自然療法とカウンセリングのサロンをしています。

クライアントの半数が子どもたちです。

元々はアレルギーや発達障害の子どもたち向けのケアをしていましたが、
この数年は繊細さと高い感受性を持つHSCっ子たちのご相談を受けるようになりました。

彼らの多くがHSCの繊細な気質ゆえに出てしまう不調を抱えていらっしゃいます。

これまでわたしが出会ってきたHSCっ子ちゃんたちのこと、
似たような症状に悩む方の参考になればと思い、
個人情報は伏せた形でこちらでシェアさせていただこうと思います。

 

<目次> 
➖1:朝起きられなくて学校にいけないんです➖
➖2:ストレスによる自律神経のアンバランス➖
➖3:ストレスを感じやすいHSCちゃん➖
➖4:ストレスによる不調は休めのサイン➖
➖5:ストレスのサインはかんじんかなめの肝と腎に出る➖
➖6:お家でできるホームケア➖
➖7:糖分について➖

 

photo: 長束加奈

 

➖1:朝起きられなくて学校にいけないんです➖

お子さんの不調のご相談の中でとても多いのが、
「朝、体が辛くて起きられない。学校にいけなくて…」というお悩みです。

中高生に多いですが、小学生にも高学年になると多くなる印象です。

たいていの場合病院に行かれて、起立性調節障害や自律神経失調症ですね。
と診断を受けていらっしゃいます。
血圧を上げるお薬を服用する方もいるようです。

 

そういったお子さんたちが訴える症状は以下のものです。

・午前中は体が怠くて起き上がるのが辛い

・午後や夕方以降になると元気になる

・立ち上がると立ちくらみやふらつきが起こる

・ふわふわしたりめまいを感じる

・心臓がドキドキする

・息が苦しくなる

・腹痛や頭痛がおこる

・下痢や便秘がおこる

・足や腕、首、肩などが痛い

・吐き気を感じる

・顔色が土気色、青くなる

・イライラしたり落ち込んだりする

・勉強などに集中できない。

・寝ようとしてもなかなか寝付けない

 

だいたいこの中のいくつかの症状を訴えます。

そして皆さん、朝に辛い症状が起こるため、
起きるのが辛く学校に行くのが難しいと言います。

 

 

➖2:ストレスによる自律神経のアンバランス➖

 

こういった症状は自律神経のアンバランスによって起こります。

自律神経とは簡単に言うと体の機能を調節する働きをするものです。

わたしたちの体は脳からの指令で働いています。
脳から繋がる自律神経はわたしたちの意思とは関係なく働きます。

血圧を上げたり下げたり、内臓を働かせたり休ませたりと、
アクセルとブレーキのシーソーバランスをとって機能しています。

その自律神経のバランスが崩れると、体にさまざまな不快な症状が起こります。

なぜアンバランスが起こるのかというと、やはりストレスが原因になることが多いです。

ストレスというのは「体」でも感じるし「心」でも感じますが、
まずは「脳」で感じ取り、ホルモン分泌や自律神経が反応します。

 

毎日忙しくたくさんのことに追われているとストレスになるし、

不安や恐れ、緊張を感じたり、我慢することもストレスになります。

今のお子さんはとっても忙しい子が多いですね。

中学生になると朝練があり、学校の授業を6時間受けて、
放課後は部活、帰ったら塾に行き、学校の宿題もある。

小学生でも習いごとが毎日のようにある子もいます。

学校生活の人間関係や家庭での家族関係、成績のこと、部活のこと、恋愛などで悩むこともありますね。

 

ストレスがかかると、脳は体を守ろうとしてストレスに対抗するためのホルモンを分泌します。
それに自律神経がアクセルモードで反応するのです。

これが過剰になると、自律神経はアクセルモード続きになり、
ホルモンや自律神経バランスが崩れて体の不調が出てくるのです。

 

 

➖3:ストレスを感じやすいHSCちゃん➖

 

HSCの性質を持つ子はストレスを感じやすいということがあります。

 

刺激に対して敏感で感じやすい。という性質は、
ささいなことを刺激として感じ取ってしまい、それはストレスに繋がります。

大きな音に驚く。

匂いを臭いと感じる。

光をまぶしく感じる。

色が多いとうるさく感じる。

暑さ寒さを敏感に感じる。

痒み痛みを敏感に感じる。

こういった刺激は主に不快寄りに感じ取っているので、ストレスになるのですね。

 

人の気持ちが分かる、共感する能力が高い。という性質は、
良い人間関係が築かれている環境以外ではやはりストレスになります。

人の気持ちが分かるが故に我慢することも沢山あります。

人との境界線が曖昧になってしまい、振り回されてしまうこともありますね。

 

慎重派であることや、内省傾向、深く物事を考える性質も、
あらゆることを想定する中でリスクをよく考えたりとネガティブな方向の思考も働くので、
心の状態によっては不安や恐れを伴うこともあるでしょう。

 

HSCの性質の感じやすさや深い思考というのは、脳の働きが活性していることで起こります。
神経が入ってくる感覚を素早く察知して深く処理しています。

つまり常に脳をフル回転させて生きているのが日常的です。

脳がいつも忙しすぎて処理に追われているんですね。

これもまたストレスに繋がりやすいわけです。

 

わたしのサロンには心身の不調でご相談にくる子のほとんどが繊細さや敏感さを持っています。

そして、総じて真面目で大人に反発しない子が多いです。

小さな頃から無意識に周りを気遣いながら、
たくさんの思いを内側に抱えて、必死に生きているんだろうなと感じます。

我慢しすぎて、自分の感情を抑えて続けて、
感情や感覚を麻痺させているような子もいます。

そういう子は自分の気持ちがよく分からない。

楽しいこと、好きなことがわからない。と言います。

そういう場合は、感じることを許す安心した心でゆっくり回復しながら自分を取り戻していくしかないのです。

 

photo:  長束加奈

 

➖4:ストレスによる不調は休めのサイン➖

 

このようにストレスを感じやすいHSCちゃんですが、
周りの大人の期待や気持ちもよく分かるので、
無理をしても頑張ってしまうという傾向があります。

体の不調は休めのサインです。

もうこれ以上頑張りすぎないで。

無理しすぎないで。

と、体が教えてくれています。

 

自律神経の不調で悩む子どもたちや親御さんに1番に伝えるのは

「不調がある今は心も体も頭もお休みするとき」ということ。

 

学校に行かなきゃいけない。

部活に、塾に、習いごとに行かなきゃ

勉強をしなきゃ

〜しなきゃいけない。

〜でなきゃいけない。

という思い込みを共に外していくこと。

何より大切なのはあなたの心と体が健やかであること。

そのためには罪悪感なくゆっくりとお休みすることが何よりも大切なんだよ。

だから今は無理しないで休もう。

と1番に伝えています。

 

そして親御さんの理解が何より大切です。

親御さんの思いを感じ取りやすいHSCちゃんたちですから
心のどこかで親御さんが不安を抱えていると、
HSCちゃんたちは自分を責めてしまったり無理して頑張ろうとしがちです。

親子で心を合わせて乗り越えていくことが早く元気になるポイントになります。

 

 

➖5:ストレスのサインはかんじんかなめの肝と腎に出る➖

 

専門用語が出て難しくなるかもしれませんが、
ストレスの仕組みについて出来るだけ噛み砕いてお話しさせてください。

ソレンセン式神経反射療法では、
東洋医学的な視点から体表面にある反射区の滞りをみていきます。

 

症状がストレスによる自律神経の不調によって起こっている場合、
肝臓・腎臓・副腎・視床(脳)・扁桃体(脳)の反射区に滞りがみられます。

ストレス反応が起こるとき、

扁桃体で不快感をキャッチした脳は視床下部からストレスに対抗するホルモンを分泌せよという司令を出します。

そして副腎という腎臓に乗っかっている臓器からコルチゾール、アドレナリン、ノルアドレナリンというストレスホルモンを出します。

そのストレスホルモンによって自律神経や内臓などの働きに影響が出てきます。

過剰なストレスにさらされていると、このストレス反応に関係する体の部位が過剰に働くことになるので疲弊して滞るのですね。

 

副腎は東洋医学的な視点では腎という腎臓のグループに属します。

ですので、腎臓の反射区にも滞りのサインがみられます。

そして、東洋医学的な視点では腎と肝は親子関係にあるので、
腎の滞りが長らく続くことで肝臓にも滞りのサインが出てきます。

肝にサインが出てる場合は、長期にわたってストレスに晒されてきたことが予想されます。

 

かんじんかなめ、体の肝腎要の肝臓と腎臓。

ここが弱ってくることで体全体の免疫力や自然治癒力が下がってしまいます。

ストレスは本当に体を傷めるのです。

 

 

 

➖6:お家でできるホームケア➖

 

自律神経の不調を治すお薬はありません。

起立性調節障害でよく出される血圧を上げるお薬も、
血圧が下がっている状態をお薬が作用している時だけ上げることができるというものなので、根本的に解決するわけではありません。

根本的に解決するには、

・まずは心と体をゆっくりと休ませること。

・ストレスを軽くしていく環境を整えていくこと。

・自律神経のバランスを整えていくこと

が必要になっていきます。

 

自律神経を整えていく方法はたくさんあります。
全部は書けないのですが、ネットや書籍でも載っていますので調べてみてください。

ここでは、サロンに来られるクライアントさんにおすすめしているホームケアを紹介します。

 

 

*肝腎を温める

肝臓と腎臓を外側から温めるケアです。

温め方はいろいろありますが、

1番おすすめしているのはこんにゃく湿布です。

こんにゃくをぐつぐつ茹でて、熱々になったこんにゃくを適温になるように布でぐるぐると包んだものを肝腎部に置いて20分くらい温めます。

肝臓は右胸の下あたりにあります。

腎臓は背中のウエスト腰あたり右左とあります。

じんわりと汗が出るくらい、身体中が温まります。

気持ち良くて寝ちゃいますZzzz

 

めんどくさがり屋さんやこんにゃく臭がちょっと…という方には、
レンジでチンして温める「小豆カイロ」や「玄米カイロ」をおすすめしています。

 

*反射区を優しくマッサージ

お顔には体中の部位の反射区がいっぱいあります。そこを優しくマッサージしてあげる方法です。

お母さんがお子さんにやってあげてもいいですね。

 

[扁桃体をマッサージ]

扁桃体の反射区は耳と顔の境い目あたりにあります。耳上の付け根から耳たぶの付け根まで5センチくらいのラインをゆっくりと優しく上下にさするようにマッサージします。

肌に触れるくらいの優しい圧です。

 

[視床下部をマッサージ]

視床下部の反射区は眉毛と眉毛の間、眉間のあたりにあります。
眉間の少し上から鼻筋の始まりの辺りまで2センチくらいのラインをゆっくりと優しく上下にさするようにマッサージします。

肌に触れるくらいの優しい圧です。

 

どちらもゆっくり、優しく、がポイントになります。

マッサージする方もされる方も気持ちよく感じるように。

愛する間柄の人からのスキンシップは
オキシトシンという安らぎのホルモンが活性化します。

このホルモンはストレスを和らげてくれるのです。

 

 

➖7:糖分について➖

 

わたしが多くのお子さんをみていて感じるのが、糖分を求める子が多いということです。

甘いものが好き、炭水化物が好きな子が圧倒的に多いです。

HSCちゃんは脳の神経処理をたくさん行っています。

脳のガソリンは糖分です。

おそらく、常にフル回転で脳を動かしているので、糖の消費が多いのだと思います。

糖をたくさん使うと血糖値は下がります。

体は血糖値が下がっていると危険を感じてアドレナリンを分泌して血糖値を上げようとします。

アドレナリンはストレスホルモンでしたね。

糖分が足りない、つまり低血糖は体にとってストレスになります。

これもまた、副腎を疲労させ、自律神経もバランスを崩す原因のひとつになります。

 

世間では「糖分の取り過ぎは良くない」と言われることの方が多いかもしれません。

糖質制限も流行っていますね。

ですが、脳をフル回転させているHSCちゃんにとって
糖分を控えることは体のストレスを増やすことにもなります。

ですので、わたしは糖分を摂取することを制限しないことをおすすめしています。

炭水化物をしっかり摂ることや

自然な黒糖や、生の蜂蜜を1日の中でちょこちょこ摂ることをおすすめしています。

 

わたし自身も糖分がきれると体が大変なストレスを感じることを体感しています。

手足が冷たくなって震えるような感覚や、視界が霞んだり、思考がはっきりしなくなります。

特に仕事中は感覚を研ぎ澄ませて脳をフル回転させるので、糖の消費が早いようです。

なので、黒糖や蜂蜜を机にも置いてあり、常にちょこちょこ食べるようにしています。

糖を意識して摂るようになってから、虫歯もできてないし、太ってもいないです。

糖については賛否両論だとは思いますが、わたしは充分な糖分が必要だと考えています。

 

あともうひとつ、

自律神経のアンバランスがみられる時は、カフェインは要注意です。

カフェインは一気に自律神経をアクセルモードにする働きがあります。

対処的にカフェインを摂ることでなんとか動ける…と、
カフェインを常飲すると、自律神経のアンバランスや副腎の疲弊は悪化します。

今は若い子でもカフェイン飲料を常飲している子もいるようで心配です。

コーヒー紅茶だけでなく玉露やコーラなどもカフェインが多めなので、飲み過ぎないようにしましょう。

 

以上、HSCちゃんにみられる起立性調節障害に代表される自律神経系の不調についてでした。

前回のコラム➡HSCが抱える心身の不調〜むずむず脚症候群の小学生〜

 

writer:  白尾藍 (11歳女子の母)

・ホリスティックサロン アイラ主宰:http://salonaila.com

・ソレンセン式神経反射療法士

・NPO法人こころね理事長


photographer: 長束加奈 (10歳男子、8歳男子、6歳男子の母)

・instagram: https://www.instagram.com/kananatsuka