デンマークの教育の話②

デンマークの教育は個性を大切にする教育。

それってどういうこと?ということを今日は書こうと思います。

デンマークの教育では、義務教育のところではない、

特徴的なふたつの学校制度があるのですが

そこのところをご紹介。

小学校・中学校で義務教育が終わると、

普通高校に行く子と

職業訓練の高校に行く子に分かれるのは

ヨーロッパでは多い制度のようですが

デンマークにはエフタスコーレ(英語でアフタースクールの意味)

というのとフォルケホイスコーレという制度があります。

まずエフタスコーレについて。

これは希望すると行ける1年間の全寮制の学校で、

14〜18歳の子どもが入学できます。

教科の復習をしつつ、

生徒の興味があるような科目

(音楽・スポーツ・乗馬・美術・農業など)

をもたせているのが特徴です。

エフタスコーレとは、デンマーク独特の学校形態である、全寮制の中学校を指し示す。学校法人が運営するフリースクールであり、14歳から18歳の学童を対象としており、8年生―11年生水準の教育を実施する。  エフタスコーレには長い伝統があり、最初の学校は1851年に設立されたといわれている。地方の農家の子弟を対象に、当時の小学校教育の延長及び補足の教育を施すために設立された。  それ以降、エフタスコーレは全国に広がりをみせ、現在ではおよそ250校、生徒数に関しては、義務教育卒業者の2割強がエフタスコーレを卒業しているとされている。
こちらのページよりお借りしました。)

そう、ここは「立ち止まり時間」なのです。

通常の学校教育では学べないような、

自分の隠れた才能や興味にフォーカスして

創造性、自主性、友達との横の連帯感

などを獲得します。

普通の学校でいまひとつパッとしなかった子が

エフタスコーレで自分の特技を発見した

というケースは多いそうです。

デンマークのティーンエイジャーの15%以上が

毎年このエフタスコーレに入学しているといいます。

自己表現の自信をつけて高校へ行ったり、大学へ行ったり、

社会に出ていくことをサポートする役目も担っています。

あるデンマーク人の女の子がいいます。

「高校までわたしは本当に反抗的な子でした。

バカなことばっかりしてた。

でも

やり直すチャンスが欲しい

ってずっと思っていて、、、

ここでコミュニケーション力と

寛容の精神を身につけたおかげで

自分とは違うタイプの人間も受け入れたり

尊重できるようになったの。」

そしてもうひとつ、

フォルケホイスコーレについても少し。

これは

「学ぶ意欲を育てるための場所」

だそうです。

一種の生涯教育の場所で

希望すれば誰でも入れます。

(長女はここへ1年留学することを目標にしているようです。入学資格は17歳以上であることと、デンマーク語か英語ができること。資格はとれません。)

IT、福祉、幼児教育、デザイン、体育、芸術、

等々それぞれが多彩な私立学校で、

デンマークの文科省によると

2012年のデータで長期コースには約1万人、

短期コースには約4万5千人が参加したといいます。

他人と競争する必要も、卒業試験も受ける必要もないいわゆるフリースクール。

こちらに少し詳しく出ています

 

これを見るだけでもワクワクしますね!

 

正規の学校教育でないこれら2つの学校の様子を見ていると、

国家として「豊かな人生」という課題に

正面から取り組んでいる様子が伺われます。

デンマークの教育システムの目的は、知識をたくさん詰め込むことではない。

生徒一人ひとりが自分の個性と能力を発見し、自分に自信が持てるようになること。

自分が必要とされていると実感し、社会に居場所をみいだせるようになることだ。

(マレーヌ・ライダル「デンマーク人が世界で一番幸せな10の理由」サンマーク出版より)

成熟した大人の国、

そういう印象を受けませんか?

ふつうの先進国の若者は、収入が多い仕事を好ましく思い、

将来そういう仕事につくために学問を専攻しようとします。

これは日本においてもその傾向がありますね。

実際イギリスの若者の19.1%、アメリカの31.15%が

自分の両親よりも金銭的に恵まれた生活をしたい

と考えているといいます。

一方、デンマークではその値はわずか11.8%です。

デンマークの若者は将来自分の子供に残したいものとして

財産よりも、寛容の精神、他人を尊重する心、

責任感、誠実さ、自主性などを真っ先にあげるそうです。

びっくりしますね!

「子どもに何を残したいですか?」と聞かれて

お金やモノでない、目に見えない精神性を

子供に残したいという日本人はいるのでしょうか。

もちろん日本では税金制度も違うし、社会保障も違う。

学校に行くにも、老人ホームに入るにも

多額のお金が必要ですから、

そんなこと言っちゃあいられません!

そもそも「残すもの」に無形のものが入るという概念自体が

あまりないかもしれません。

けれども、

人生のなかで何を豊かと考えるか、

その参考にすることはできそうです。

次回は、自由に自分の道を選ぶ、ということについて。

そこのところのデンマーク事情をご紹介しようと思います。