コラムColumn

世界幸福NO.1デンマークの子育てから学ぶ

何度やり直してもいいよ!の再チャレンジを支援する学校『生産学校』〜デンマークの教育

2017年12月11日

デンマークの教育について研究する会@明治学院大学に参加させていただきました。

 

image

image

いくつかのプレゼンテーションがあったのですが、
まずは新潟医療福祉大学助教授・佐藤裕紀先生の「生産学校」の部分をまずレポートさせていただきますね。

実は、

フォルケホイスコーレに気を取られていたので「生産学校」なるものがあるのを知りませんでした。

生産学校とは
・生産学校の目的は、「実践に根差した学習環境を作り、それによって若者を中等教育修了あるいは労働市場の通常の仕事に就かせる能力を身に着けるようにさせること」である。
・デンマークには全国に82の生産学校がある。
・生産学校の生徒は25歳未満で、その多くが中等教育をドロップアウトしたか、いまだに中等教育に進学する準備ができていないかである。
・在学期間はそれぞれだが、年間を通じて入学を受け付ける。一つの生産学校で、最長で一年間までしか在学できない。
・生徒の数は、すべての生徒が一年間通ったとしたら何人になるかとして計算される(「年間生徒」)。2012年の年間生徒は、7569人。
・2013年には生産学校全体の運営予算には7億2270万クローネがつけられていたが、2014年の提案では5億8770万クローネになっている。

出典 生産学校協会、2014年予算案、DR

こちらから転載させていただいています。
http://denjapaner.seesaa.net/article/374914567.html

デンマークは世界幸福度ナンバーワンととることが何度もありました。

(今年はフィンランドが1位です)

 

国民はいつも幸せで満たされている、

それはなぜかというと・・・ということでデンマークの教育を研究している人も多いです。

 

image

生産学校 という「課題を抱えた若者の再チャレンジを支援する学校」が
デンマークには80校あり、年間1200人が学んでいるそうです。

生産学校の卒業後は66.7%の若者が何かの道へ進む、とのこと。

 

フォルケホイスコーレがどちらかというと農村部、田舎にあるのに対して生産学校は中小規模な街にあります。

 

入学資格は

・ユースガイダンスセンターが認めたもの
・25歳までの高次中等教育未終了のもの
・学校教育に適応できない若者
です。

対象になる子の特徴として幼児のころのなにかの経験で、
打ちのめされているトラウマがあり、自己肯定感が低いのです。

その結果、日常的な障壁として朝ちゃんと学校へ来られない。

毎月のお金のやりくりができない。
等様々な問題がある。

➡︎これは日本でも増えている問題ですよね。

日本でも最近親の年収による子どもの格差が問題になっていますが、
デンマークはなんと17%もの移民を受け入れている国なので
経済的に厳しい状態の層もあり、
社会的にに厳しい若者もでているというのは諸外国同じ問題を抱えているのかもしれません。

learning by Doing

顧客にたいして何かを提供していくということを、

「体験によって学んでいく」というのをテーマにしているのがすばらしいなと思いました。

 

職人の学習文化も取り入れている(丁稚奉公みたいの)というのが、
座学だけでなくちゃんとその先の仕事をしていく生活に結びつけるところ
として考えられていてとてもいいですよね。

 

問題は環境であって、個人のせいではない

というのが、デンマークの思想の特徴です。

問題が起きたらそれを社会の問題として扱う。

福祉国家の特徴ですね。

 

異なる学びの方法・場の意図的な設計をとおして

集団・共同制を重視し、人間関係、社会的関係との結び直しや
自己像・社会像の作り直しを促す場として設計する。

 

この土台には、

「失敗しても何度でもやりなおしてチャレンジしたらいいね」という寛容の精神が
人々のなかに流れているような気がしてならないのです。

 

これは国民性なので、
いわゆるメンタリティというものなのですが、

どっちがいい、どっちが悪い論じゃなくて、

 

自分の人生に、

自分自身に、

まわりの人に、

寛容なほうが楽じゃない?


エジソンでしたっけ?は99回の失敗は成功のための礎、みたいに言ったそうだけど、

それって、何度失敗してもそれは失敗だと思っているだけで
単なるトライアルなんだよね。

ともとれます。

人生は死ぬまでトライアルなんです。

 

だから、あ、やってみて違った、

次!トライアゲン!でいいのよね。

 

日本の若者にも「失敗じゃないよ、いいトライだった!次のトライしよう!」という
精神でいきたいものです!

参考となるブログを見つけました。
2013年の記事です。

デンマークでも現在「生産学校」の扱いについては揺れている、という趣旨の記事です。


「豊かな寄り道」ととるか「無駄」ととるか。

〜「何かをやってみて、自分の人生で何をしたいかが明らかになるまでにとても長い時間がかかる若者もいるのです。こういった人たちは、急がせてダメにしてしまうのではなく、意欲を与えてくれるような効果のある中間ステージに立つ必要があるのです。ますます多くの若者がこうした社会のプレッシャーの中で、いいところを見せなければならないというプレッシャーがあまりないモラトリアムを求めているのです。生産学校は小さな寄り道でもありますが、前への一歩となりうるのです」とソーアン・ランガヤーは言う。

〜「でも僕のように田舎の街出身の人にとっては、生産学校に通うことはタブーなんです。負け組ってことになってしまうから」と彼は言う。

転載元
http://denjapaner.seesaa.net/article/374914567.html

関連記事