コラムColumn

HSPであるママへ

元こじらせHSC・現HSC4人子育て中 母が感じる「HSCちゃんにとって一番大切だと思うコト」

2020年7月14日

私は、幼い頃からHSCの自覚があった、元HSCです。

もちろん今から40年以上前にHSP/HSCの概念はありません。

私の家族は母以外HSP。

何事も感じ取りやすいのが標準装備でしたが、

一番、私が理解してほしいと思っていた母は違いました。

 

同居していた祖母と母は仲がよくなく、

祖母の細かさを母は否定していました。

母は、私のことも悪気なく

『神経質』『臆病』『細かすぎる』などと言っていました。

 

私にとって、HSPの気質というものは

「良くない」という思い込みになり

自分を偽り続けるクセになっていきました。

 

周りに『神経質』『細かすぎる』と思われないように

毎日、子どもの頃から細心の注意を払い

場合場合でキャラを使い分け

いつも『平気なふり』をして生きていました。

 

「人の気持ちはわかるのに私をわかってくれる人はいない」

なんてことを考えている根暗な子どもでした。

でも、外では偽って『平気なふり』ができるので

誰もそんな私の心の闇に気付かない。

 

 

人に合わせることが当たり前になって

『自分』なんてわからなくなっていきました。

そして『平気なふり』をしたまま大人になっていきました。

 

 

私には4人の子どもがいます。

小学生から大学生、3男1女の母です。

4人全員HSC、夫はHSPではありません。

以前の私は自己否定の塊で、HSPの気質も否定していたので

非HSPである夫に子ども達が似るように

私のように『神経質』になりませんようにという気持ちで

子ども達を育て、私はまだ『平気なふり』を演じ続け

とても社交的に見える子育てを4人分こなしてきました。

 

「夫は仕事が忙しく、家族6人分背負ってくれているのがわかる・・・」

「子ども達1人1人が母親に求めていることもわかる・・・」

「社会の集団生活の調和もわかる・・・楽しく、仲良く・・・」

 

私は子育てにおいて手を抜くことも

全てを投げ出して逃げることも

困った人を見ぬふりをすることもできなかった。

そして私自身は誰かに助けを求めることもできなかった。

 

「だって私はお母さん」

「お母さんは皆な大変なんだ」

「私には子ども4人を立派に育てる責任がある」

「こんなことで音を上げるのは間違ってる」

「私の努力が足りないからダメなんだ」

 

そんな風に自分を追い込んでいました。

外では明るく社交的に見えるお母さん・・・

家では疲れ果てて子ども達にイライラしてしまう・・・

HSPに必要なダウンタイムなんて意識もせず

ずっとずっとただがむしゃらに。

 

 

そんな生活をずっと続けていた

今から7~8年ほど前。

 

第1子である、当時、中学生だった長男が言いました。

「お母さんってどうしてそうなの?」

「え?何が?」

「よそのお母さん、そんなんじゃないじゃん」

「え?どういう意味?」

「いやだと思ったらやらないし、逃げるでしょ。でもお母さんは違うじゃん」

 

・・・思わず絶句。

 

私は外でそれなりに楽しく過ごしていました。

ママ友というカテゴリーであれば、たくさんママ友もいました。

そんな母親を見て違和感を感じていたのか・・・

 

子ども達の付き合いも1人1人それぞれきちんとこなし

学校・幼稚園の役員・係、習い事の代表などもやった。

引き受けたからには、皆なが喜ぶように。自分も楽しむをモットーに。

周りに感謝されると嬉しかったし、達成感もあった。

でもそんな母親を見ても無理をしていると気付いていたのか・・・

 

家でくたびれ果ててボロ雑巾のようになっている母親を

どんな思いで眺めていたのだろう・・・

 

photo: 長束加奈

 

長男の繊細さには気付いていたものの洞察力に驚きました。

今思うと、長男のHSCを確信した瞬間だったかもしれません。

 

でもその言葉を言われた当時は、まだ気付いていなかった・・・

子どもにとって、お母さんは「幸せでいてほしい」ということを

 

 

母親は、子どもを想うがゆえに必死になる。

母親は、子どもを愛するがゆえにどんな犠牲にもなる。

子どものことを優先しすぎて周りが見えなくなる。

子どものことを想いすぎて自分のことをおろそかにする。

 

 

自分自身がお母さんに何を求めたか

思い出してほしい。

たぶんきっと、「幸せでいてほしい」と

子どもながらに願ったことを。

 

 

その気持ちはきっと母親も子どもも一緒で

人はいつも愛する人の幸せを願っている。

特にHSCちゃんであれば深い深い愛情を持っていると思う。

 

HSCちゃんは、お母さんが大変そうにしていると

自分を責めてしまう子が多いようで

心優しいHSCちゃんは「自分のせい?」と思ってしまう。

 

 

長男の洞察力に気が付いて数年後。

息子が進学した高校を退学した時

お世話になっていたカウンセラーさんの言葉に、また衝撃を受けた。

「お母さん、自分の人生を生きていますか?」

「え?母親の私が?自分の?」

(この人、何を言ってるんだろう?意味がわからない・・・)

(母親は子ども、家族が優先、その後に自分でしょ)

なんて考えていました。

 

 

でもこの時に言われたことで、中学生の頃の

長男の言葉を思い出すきっかけになりました。

 

 

「子ども達を幸せにしたい」一心だった・・・

でも一生懸命になりすぎて

母親自身が幸せそうに見えなかったのかもしれない・・・

逆に子ども達を傷つけていたのかもしれない・・・

 

 

やっと気が付いた・・・

 

 

「幸せにしたい」なんておこがましい(笑)のかもしれない。

子どもは子ども自身の力で幸せになるもの。

幸せの基準も尺度も人それぞれ。

私は子ども達の『力』を信じきれていなかったのかもしれない。

子ども達が母親に寄せてくれる愛情も信じきれていなかったのかもしれない。

 

そしてようやく、元こじらせHSCの私が

HSC4人を育てて辿り着いた答えを見つけました。

 

それは「お母さん自身が自分を一番大切にすること」

そして「お母さん自身がありのままの自分を信じ抜くこと」

 

そんなお母さんの姿を見て、HSCちゃんもありのままの自分を

受け容れ、自信を育み、自分を大切にできる子どもに

なっていくのではないかと思っています。

 

HSCちゃんの子育ては大変なことが多いように思ってしまいがちです。

でもHSCちゃん特有の鋭い感性は、最高に幸せな時間を

共有してくれることを、私は日々実感しています。

 

 

writer: うめもと かおり (20歳男子・17歳男子・13歳女子・10歳男子の母)

・HSP・HSCカウンセラー/自己肯定感カウンセラー
・Heart Smile Presentサポーター
・ママ達の心の整え方教室主宰

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photographer:  長束加奈(10歳男子、8歳男子、6歳男子の母)

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