HSS×HSC洞察系男子、演劇を学ぶ。頭と心、学校行く・行かないはどっちの自分?

2020年7月よりHSCちゃんを育てる専門家でありHSP母のコラムを
15名のメンバーで日替わりでアップさせていただきます。

さまざまな立場からの、さまざまな年齢のHSCちゃんの子育て現場レポをどうぞ。

 


7月の4連休。この連休は、毎日穏やかに過ごしているはずが、

母親の私は自分の予定はないのに、なんだか子どもの予定でせわしない。

やっぱり気持ち的には、この季節は夏休みがよかったと思う。

この猛暑の中、「学校行きたくない。」と枕詞のように言う、子どもたちとどう関わっていくのか、頭の中は不安でいっぱい、「めんどくさ~い」が出てきている今日この頃です。

 

今日は小学校3年生中間子、男の子の話です。

彼は、自粛中から漢字の学習が難しく感じ、学校に行きたくなくなり、

「学校いきたくない」と自粛明け数回、欠席をしています。

 

漢字の学習は、「学校」という場でやった方がスムーズにできるようでした。

 

自宅の場合、年子の下の子の宿題の進み具合が気になり、
自分のほうが、宿題の進みが遅いことに、いやな気持ちになり、集中できない。

なかなか終わりが見えない漢字の宿題にイライラする。

書いても全く覚えられる気がしないことに不安になる。

1画書いたら立って、1画書いたらまた誰かに話しかけ、1画書いたらまた立って。

大量の宿題が、いっこうに終わらなかったのです。

 

※漢字に関しては、先日の保護者会で参加していたお母さま20人ほどが

全員が口をそろえて「うちの子漢字が苦手で、自粛中の宿題がほんとに大変でした!!」と言っていて、ホッとしたのでした。

しかも、その半数以上のお母さまが「うちの子繊細なところがあって・・・」とも言っていました。

 

先生のお話を伺い、学校では、指で空気中に漢字を書いて練習もするらしく、

自宅ではノートやドリルに書く宿題となっていたことが、漢字学習に多くの子どもが躓いた原因になったかもしれないと感じたのでした。

3年生は、画数が多い字も増え、新しく学ぶ漢字数も増え、学校の先生というプロとは違う親流の教え方では、子どもは学びにくくもあり、混乱もしますよね。

 

 

さて、我が子は、保育園ではほとんどしゃべらず、学校でもほとんどしゃべりもせず、

外遊びもせず、自分の席で折り紙切り絵をしているような子どもで、典型的な“内弁慶”です。

 

 

自粛中は、オンラインでの学習で、画面に映ることができず、

オンラインでの授業(いわゆる勉強に分類されるもの)や、先生の真似をして練習するダンスについては、学ぶことを嫌がり、“劇・歌などの自分の表現をする習い事”を残して、全てを辞めました。

彼のHSS気質が影響して、習い事も多すぎるくらいやっていたので、結果的に整理できて

これはよかったことでもありました。

 

そして今はひとつ、劇・歌に絞り、学んでいます。

(こちらは3年目に入りました)

外では口を開かない、オンラインではうつらない子どもが、

劇・歌を好み、人前で表現することを心から望んでいる。

この辺り、HSS気質と気づき、「そういうことね。」とまた子どもへの理解が進んだのでした。「なんでしゃべらない、うつらない、恥ずかしがりやさんが、人前で歌ったり踊ったりする劇をやりたいの?」と、ちょっと、よくわからなかったのです。

 

この連休は、オンラインドラマを撮影しているのですが、自分の思うようにできないと、

そのことで、ずっと悩んでいる。

オンライン撮影が始まる前は、「こんなことがあったらどうしよう、心配なのぉ(泣)」とか、

「はじめは、なんて言って出ればいいかな。」とか、

「(小道具で使う)クラッカーがならなかったらどうしよう、怖い。」とティッシュで

力を入れて、引きちぎり、クラッカーを引く練習をするけれど、それも焦っているから、ままならない。彼の不安や心配は止まることなく、その場にいる母と姉は、もう付き合いきれません。「またいつものようにぐずってる・・」(ため息)です。

 

非HSPの夫だけが、自分はゲームやりながら、

「あ、よろしくー!って出たら、いいんちゃうん?」「なんとかなるやろ。」と、

適当な返事をして、場を和ませてくれています。

 

彼は、私や夫の返事が本質ついていないものだと、姉に、意見を求めにいきます。姉は学校のこともよくわかっているので、大体のことはそこで解決します。大人の言うことはあてにならない、何か違和感あると感じていることも多いようです。

最近は、姉も自分のことで忙しく、彼の思うような返答がこないこともあり、またそこでモヤモヤしているのです。

 

この彼の葛藤は、洞察系HSCでもあるのですが、HSSからきているものでもあると気づき、本人は、本当に辛いだろうなと思うのです。

 

保育園・小学校に行きたくないということは、これまではありませんでした。

自分が心を許した先生でない限り、「だっこ」を要求したり、集団では声を出して話すことはしない子どもでした。でも、心を許せる先生には抱っこポーズで上手に甘えたり、話し相手になってあげたりしていました。(大変失礼で申し訳ございません。でも、「話してあげてる・・」なんだか、この表現が一番的確な気がします。)

そして、母の私の顔色をみて、自分の次の行動を決めることが、これまでは普通になっていたのだろうなと思うのです。私が、「もう彼は、学校に行きたくないのならば、無理して行かなくてもいいのではないか。」と自分の中で整理ができた翌朝、「学校行きたくない。」と本気での泣きがはじまったのです。

photo: 長束加奈

 

よく食べることができて、よく熱は出しましたが、すぐに回復する彼は、他の子どもよりも育てやすく、病児保育業界で勤めてきた私は、助けられてきました。今では、熱もほとんど出しません。出しても休日なので、学校は休まずにいけるのです。

 

こんな風に周囲の人への共感性や洞察性、これまでの生活習慣から、体の調整までできてしまう。洞察性が前面に出ている子どもは、だからこそ、自宅では、彼の本当の気持ち、心の声を出せる環境や状況を作っていかなくてはならないと、HSCを知った今は強く思います。9歳とはいえ、まだ子どもです。自分の気持ちや感情を頭で感じることはできません。大人でも頭を使っても、気持ちや感情のことは扱えませんよね。

 

「学校行きたくない」一度出かけてから、再び本気で泣いて帰ってくる。

いつもの先々の心配や不安からきているぐずり泣きとは明らかに違う。心からの泣き。

 

心配・不安なことであれば、言葉にできそうだったので、

「学校のどんなところが心配になってしまうのか、不安なのか?」

を聞いてみました。

 

【彼の頭の中に起きていることは、こんなことのようです。】

1.授業でついていけず、遅れてしまったところが、自分はまだ終わっていない。

2.終わっていないことを頭の中で、“心配”として持っている。

3.でも、授業は、先に進んでしまう。

4.終わっていない“心配”で、頭がいっぱいなうえに、先に進んでいることに関しても頭に入ってこず、また“心配”になる。

5.理解できないが続き、“心配”で頭がいっぱいのままその場にいる。

6.そして、長く学校にいたくないのに、居残りになる。

7.居残りで終わっていない部分を形式上は終わった。でも、居残りになったことも嫌だった。

8.自分の中では満足や納得感はない。もやもやする。

 

【このことに対しての解決策を考えてみました。】

1.の段階で、遅れてしまった、終わっていないことについては、

机にある、筆箱を置いて、そこを境界線として、

筆箱の向こうに「ほいっ」と、おいて考えないことにしてみようか。

 

2.そして、「“今”、やることに集中してみよう。」

3.1.2をやってみよう。これはママから提案できるあくまで一例。

もっといい方法を思いついたら、それでいいよ!自分がやりやすい方法を、見つけてみようね。

 

【納得して学校に行きました。】

この話をすると、本人は納得し、「学校に行く」といいました。

先生ともその会話をして、理解していただき、先生の言葉で「誰でも苦手と得意はあるの。苦手なことがあっても、そのままのあなたでいいのよ。」と、彼に話をしてくれました。学校には登校できました。

 

彼も、自分のクラスでの存在の仕方は2年間の間に、彼なりに学んでいます。

自由に席を決めてもいいときには、窓際の人通りが少ない、おとなしいお友達の隣の席を選ぶなど、彼なりのクラスでの居心地よい存在の仕方を、自らの力で探していたりもします。

 

子どもも子どもなりに自分で生きていく力があります。

しかし、しゃべらない子どもの共感性や洞察性については外に見えない、

他人にわかりにくいために、学校にいきたい気持ちがあっても、その扱い方を知らないと、

行けなくなってしまうことはあるかもしれません。

 

これはたまたま今回、有効であっただけで、本当には何を心配しているのか言葉にできず、身体の反応で、はじめてわかることもあるかもしれません。

また、頭で心配しているために、心は休みたいと言っているのに、頭の中の心配があるため、休めないのかもしれません。

我が家の場合は、後者です。

 

後者であることをうっすらと感じながらも、上記の対応でこの日は、対処しました。

しかし、私の中には、2つの問いが残りました。

 

1つ目は、遅れてしまって、理解が追い付いていないこと、そのことを

そのままにして、皆と同じように同じスピードで学ばなくてはならないのでしょうか?

 

2つ目は、頭の中に心配や不安がいっぱいで、それをうまく言葉にできない、本心では行きたくない、行けない様子がある時に、いつものように、学校にいくことは、その子にとって本当に必要でしょうか?

 

 

1つ目の、学び方については、

今の学校という環境で、ひとりひとりの子どもの状況に合わせて・・・といかない状況は、重々承知しています。

私がHSPであるために、理想を描きすぎているかもしれません。

ですが、もっと、子どもたちが自分にあった学び方で学んでいける学校教育になってもいいのでは?と、思うのです。

 

人員配置も手厚く、先生方がさらに学ぶ機会を持ったり、心地よく働けるよう整えていく中で、子どもたちが自分にあった学び方で学べるように、学校の義務教育の在り方ついても変化していくときではないかと思うのです。私は、どんな家庭のどんな子どもでも、自分に合った学び方で学べる時代であることを願っています。

 

2つ目について、

大人の私たちも自身も、大変な状況から、心や体が動かないこと、病気になってしまうこと、ありますよね。

そんな時に自分たちも周りの人の力を借りたり、専門家に頼ったり、“休むこと”をしてほしいと思います。

親がそうしていることで、子どももいつもと同じ行動を選択せずに、“休む”ことで、心配や不安の中身を自分で消化したり、親御さんに話をしたり寄り添ってもらいながら、自分の気持ちを受け入れ、言葉にすることができると思うのです。

 

子どもの習い事や、家での親や家族の関わりで、子どもの感性を生かす選択をすることはできると思います。

でも、本当は学校で・・・ひとりひとりの子どもを真ん中に、先生と親が手を取り合って

子どもが子どもにあった方法で学べる時代。

 

子どもが悩みや心配で頭がいっぱいで元気がないとき、本人が頭を空っぽにして、心と身体の声に耳を傾け、周りの人とゆったり関わりながら、自分の身体の中から本来のその子自身の元気が出てくるまで、ゆっくり休ませる親の勇気も必要だと思います。

 

家では、もやもやぐずっての泣き声がほとんどの子どもですが、

彼は、劇・歌を通して、『100万回生きたねこ』の黒猫役で、お母さん方はもちろん、普段、感情を外に出さない、お父さん方まで、感動の涙を呼ぶ演技をしていました。

 

外では全然しゃべらない・本当に心を許せる友達もまだできていない彼が

何をどう感じているのかは、母の私もよくわかりません。

でも、明らかに元気がない彼が、劇を通して表現することで、何かを感じ、口から出すこと身体で表現することで、それがまた誰かの心の感情を呼び起こす。感じることをさせてくれる。この感動の感情の連鎖は、感情を感じにくくなっている現在、とても大切なことではないかと思うのです。

 

 

頭で考えすぎてしまう洞察系が強い、HSS×HSCが学校との葛藤をしながら、自分の人生を毎日生きていることは確かです。

 

「学校にいきたくない」その言葉を発する彼が、本当の気持ちを優先できない時、

私には彼を休ませる勇気が、必要だったのだと思います。

休ませる勇気を持った先には、子どもは「学校には、がんばって行きたい」と思っているという本音が出てきたり、行くのであれば、「帰ってきてから、十分にダウンタイムとろうね。」「どのようにしたら本当にリラックスして休めるかな。」と、子どもの声を聞きながら、子どもと共に学校以外での過ごし方を、整えていくこともできると思うのですよね。

 

私自身も日々移り変わる彼の葛藤に寄り添いながら、HSS×HSP、小中高皆勤の私も、毎日自分のダウンタイムをとって、楽しく過ごしていきたいと思うのです。忘れてしまうことも多いので、合言葉は「モヤモヤしているときは、ダウンタイム!!」です。

 

日曜日の夕方2時間、3人の子どもがそれぞれ「学校行きたくない」と時間差で言ってくる。

子どもたちの声を「あー、またきた。」「どれが本物のその子の声だ?」と、ひとりひとりの声にイライラしながらも耳を澄ませ、コラムを通して振り返りながら、また出てきた本当の自分の子どもに対する思いに気付かされ、実践してみて、を繰り返しています。

HSCちゃんたちに翻弄されながらも、やっぱりHSCちゃんの子育ては、思った通りにいかないことと、思いのほかに、するっといくこと、「えー?!なんだかわからないけど(涙)」という感動や心を動かす出来事が、次から次へと降って湧いて来るから面白いなと思うんですよね。

 

めちゃめちゃ、大変だけど!!

 

自分のダウンタイムも大切にしながら、自分自身の感情も大切に味わいながら、子育てしていきたいですね。

photo:長束加奈

 

 

◆これまでのコラム

ひとはいるだけで完璧な存在〜HSCの子どもが教えてくれた美しい世界
中学生になってもひとりで留守番(自宅学習)ができない我が子への処方箋

 

writer: 大西愛(13歳女子、9歳男子、7歳女子の母)

・病児保育士
・HSC/HSPメッセンジャー
・~親が楽になれば、子も楽になる~ https://note.com/a_haiji


photographer: 長束加奈(10歳男子、8歳男子、6歳男子 の母)

・instagram: https://www.instagram.com/kananatsuka