2020年7月28日
前回は小学生の時のピアノの習いごと、発表会についてお話をしました。
→「理想の娘探しの旅」〜HSCちゃんと気づくまで 第2回
今回は小学校中学年の学校行事「体験学習田植え」の思い出です。
田植えの朝、目が覚めると、なんと、集合時間を過ぎていました。
私はお弁当を作って、つい うとうと2度寝してしまったようです。
急いで、学校に連絡。
先生に「〇〇駅で待ってますから」と言われ、
娘を起こすも、
「行かない」の一言。
「えー、待っててくれるって言ってるよ。」
「遅刻は恥ずかしいもん」
娘との押し問答が続き、刻々と時間は迫る。
先生にまた電話。
「行きたくないって言ってるんです。」
「今回は秋の稲刈りに続く行事で、授業でも扱うから、体験していないと、みんなの話についていけないし、来てもらいたいんですよね。
〇〇駅に着いたところで、待ってますから。お母さんと来てください。」
確かに授業に遅れるし、ついていけないのもかわいそう。
今なら間に合う!と
また娘に先生からの話を伝えると、
「絶対にいや」
「どうしてもいや」
当時、私はフルタイム勤務で出社もあって、あせっていて、
「行くよ。行こうよ。先生、待っててくれるから大丈夫。一緒に行くから。」
どんなに説得しても頑として動かず。
ついには、娘はトイレに隠れてしまいました。
しばらく、私はあせりと行かせたいという気持ちで、
トイレのドア越しに説得を試みるも、全くダメ。
娘はどうやら泣いているようでした。
「だって、遅れたら、友達になんでって言われるからいや」
彼女なりの最後の抵抗の言葉。
先生には現地まで一緒に来てくれたら、途中まで迎えにいくからとまで、おっしゃっていただいたのですが、それも、ダメで。
結局欠席することになりました。
もとはといえば、私の寝坊が原因で、娘はちっとも悪くないのですが、
最後には「行かない娘が悪い」といった気持ちになってしまっていたように思います。
それに「恥ずかしい」を乗り越えてほしかった。
これから人生で遅刻しないほうがいいけれど、万一することもある。そんなときにも
行けるように。そんな思いもありました。
ですが、当時のHSCの娘にとってはかなりハードルが高かったのかもしれません。
娘は自分が遊びたくても、友だちの家に「遊ぼう」と電話もできなかったあの頃。
「ママが電話して」と言われ、でも電話できないのもこれから困るしと、
「自分でしなさい」と電話させたりしたこともありました。
高校生になった今、部活行事で友達が理由で遅刻して、先生に怒られても、先生には本当の理由を言わなかったという娘。強くなったなと思います。
HSCちゃんと知らなかったあの頃。
《何かあっても自分で行動できるようになってほしい。もっと強くなってほしい。》
そんな思いがいっぱいで、強く言って泣かせたこともたくさんあったように思います。
強くなれるように、叱っていた記憶がたくさん。
それが娘のため。叱ることで、思いなおしてくれると思っていました。
でも、違うんですね。気持ちを認めてもらえなければ、気持ちを封じ込めてしまう。
ココロを動かすには、まずは子どもの気持ちを認めること。不安も認められることで小さくなります。
それにそんなに焦る必要はなかったのにと今となっては思います。
田植え体験も一生に一回だからと、授業で困るからと一事が万事といったような、
今しかないような気持ちでした。
でも、田植えだって、家族で体験に行けばよかったのかもしれないですよね。
そんなことすら、気づけなかった。
photo: 長束加奈
大人だけが先走って、子どものためを思って先回りして。
何かあったとき、そんなに焦らなくてもいいのかもしれません。
子どもの背中を押すことも大事。
でも、お母さんはちょっと一息、落ち着いてみる。俯瞰してみる。
この子の気持ちは?
今、本当に必要なことなの?
頑として自分の意見を通した娘。
実はHSCちゃんは意外と自分を持っていて、芯が強いのかもしれません。
◆これまでのコラム
「理想の娘探しの旅」〜HSCちゃんと気づくまで
「理想の娘探しの旅」〜HSCちゃんと気づくまで 第2回
writer: 瀬戸ひろみ
・HSP/HSC子育て心理学カウンセラー
・HP: https://hsc-kosodate.amebaownd.com
・Blog: https://ameblo.jp/hsc-kokorocyokin
photographer: 長束加奈(10歳男子、8歳男子、6歳男子の母)
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