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うちの子育て奮闘記

「理想の娘探しの旅」〜HSCちゃんと気づくまで 第1回~幼少期の習いごと

2020年7月7日

母となった日。
その日は無事産まれたことが嬉しくて、愛おしくて、ただただ健やかに育ってほしい。

そんな願いだったはずなのに、いつのまにか、私の中で、
「理想の娘探し」が始まっていた。

 

今は高校3年生になる娘だが、
数年前に彼女がHSCだと気づくまでは、その旅は永遠と続いた。

 

先の見えない旅に不安で押しつぶされそうな日もあれば、
学校という名の関門に涙することもあった。もちろん、笑顔溢れる日もあった。

予定通りには運ばなかったが、今となっては愛おしい日々だ。

 

なぜならば、この旅は娘には素敵な特性がたくさんあることに気づかせてくれてくれたからだ。
この揺れ動く旅を綴ってみたい。

 

 

 

「理想の娘探し」

それは、保育園の年中さんのときに、始まったように思う。

その園は、1学年20人程度の園。
小さな園庭や畑があり、のびのび過ごせたらなあと思っていた。

 

娘といえば、いつも通園の行き帰りには抱っこをせがみ、
園では先生にくっついて、なかなか友達と遊ばなかった。

数ヶ月たった朝、上の学年のお姉さんに声をかけられ、
やっと、手を引かれ遊び始めた。
公園でも、誰かが遊んでいると、一言、「帰る」。

そんな大人しい、引っ込み思案の子供だった。

 

一方、教育熱心な家庭が多い地域で、まわりのほとんどの子が、
スイミング、公文、体操教室、ピアノなどと、積極的に習い事をしていた。
園でもとても元気で、活発そうに見えた。

 

そう、娘も、「積極的」になれたらな。

「引っ込み思案で、将来困らないかな。」

そんな思いがふつふつと私の中に湧いてきたのだった。

そこで、娘に「スイミング、見学してみない?」と誘ってみた。

しかし、案の定、「男の子になんか言われるのが嫌」と、頑として拒否。

 

公文やピアノは仲の良い子が通っているので、
大丈夫かなと誘ってみたのだが、「嫌」の一言で、終わってしまった。

 

小1になり、自らフィギュアスケートを習いたいと、
電車やバスを乗り継ぎ見学に行った。

「今度こそ、大丈夫。」そう思ったのも、束の間。

「帰りたい」の一言。

20人くらいの女の子達が集団で滑っている。

それを見た瞬間だった。

「まだ練習も見てないのに!」

ひきとめようと、語気が強くなる。

けれど、フリーズしている彼女には届かなかった。

 

当時はなんとかして、集団に慣れてほしい、積極的になってほしいという思いが強すぎて、分からなかったが、最近、HSCの彼女は人の力関係をよく見ているのかもなあと思う。

大人といれば、嫌なこともほとんど言われることなく、やんわりとした対応をしてもらえる。

でも、子ども同士はダイレクトだ。

それも集団のなかで動けば、いろいろな個性の子がいて、何かしらの声が聞こえる。

 

それに、自分に合っているのかどうかということも、もともと持っている洞察力で見抜いてしまうのかもしれない。

 

HSCちゃんは「自分に合った心地よい環境を直感で見つけるのが、実は上手いのかもしれない。」

 

視野を広げるいろんな情報を用意してあげれば、あとはHSCちゃんの感覚を信じること。

それが環境選びのコツなのかもしれないなあ。

 

今はそんな風に思う。

 

旅はまだまだ続く。

 

 

writer: 瀬戸ひろみ

・HSP/HSC子育て心理学カウンセラー

・HP: https://hsc-kosodate.amebaownd.com/

・Blog: https://ameblo.jp/hsc-kokorocyokin/


photographer: 長束加奈(10歳男子、8歳男子、6歳男子の母)

・instagram: https://www.instagram.com/kananatsuka

 

 

 

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