2020年7月30日
わたしは、ソレンセン式神経反射療法のセラピストの傍ら、不登校支援のNPO法人で不定期のフリースクールをしています。
セラピーを受けに来る子どもたちのHSC率はめちゃくちゃ高いし、不登校の子どもたちのHSC率も同じく高いです。
繊細な彼らだからこそ、心身の不調を感じやすかったりするし、学校という場に馴染めないこともあるのだと思います。
HSCの特徴の中に、第六感的な感性を持つということを言われたりしますが、そんなHSCっこの不思議な話について書こうと思います。
HSCっこたちと接していると、時々、ポツリポツリと不思議な体験の話をすることがあります。
ある女の子は、学校の友達のまわりに色が見えると言います。
静かにしてる子は青。
楽しく遊んでると黄色。
怒ったり、意地悪な子は赤くて黒い色。
機嫌が良くないと濁った色が見える。そういう色を見ると怖くなって体が固まって近づけないんだそう。
また、他の子は自宅の階段の前に真っ暗な穴が空いているのが見えて落ちそうになって怖いという話だったり、
熱を出した時には、いろんな見たことのない生物がベッドの周りでワイワイお喋りしていて怖かったという話をしたり。
まだ3歳の子が、夜になると怖いと叫んだり泣いたりするので、何が怖いの?と聞くと、ナイフを持った兵隊が追いかけてくると言う話をしたり。
ナイフや兵隊という言葉を一体どこで覚えたのか、お母さんは首を傾げていました。
HSCっこの中には、こういう科学的でない不思議な体験をしている子が結構見られます。
特に、こういう怖い系の不思議な体験を話す時は、心になんらかの負荷がかかっている時だなと感じます。
そうでない時は、怖くない、不思議な話をしてくれます。
妖精が見える話だったり、ユニコーンの話だったり。
小さい頃は会ったことのないおばあちゃんが遊んでくれていた、という話とか。
彼らはそういう話を大人にするのはあまりよくないと思っていたり、信じてもらえないから言わないと言ったりしますが、わたしにはポツリポツリと話してくれることがあります。
わたしは、いつも疑うことなく真剣にその話を聞くからかもしれません。
わたし自身も、いわゆる科学的に説明できないような体験がよくあります。
子供の頃、色盲検査で引っかかって色弱の診断を受けたのですが、色弱は遺伝性の病気なので、わたしの血族にはない病気でちょっと騒ぎになったことがあります。原因がわからずに不思議がられましたが、後からわかったのは視界に色んな色や光が見えていたのでよく見えなかったのです。
また熱を出すと、誰もいない家なのにたくさんの人の声が聞こえてきて、空気が歪んで見える変な感じがして、よく耳を押さえて寝ていました。
目の前の人が心の中で言ったことが聞こえて、それを話してしまって気持ち悪がられてしまったり、ものすごく怒られたりしたこともあります。
自分が見えているものや聞こえているものが、必ずしもみんなが見えたり聞こえたりしていないんだと気づいてからは、やっぱりなるべく人にバレないようにと気を遣っていました。
怒られないように、気持ち悪がられないように気をつけていました。
あの頃、もし話を聞いてくれる大人がいたら、もう少し心が楽だっただろうなぁと思います。
だから、わたしはいつも真剣に彼らの不思議な話を聞くし、それを特別なことにしないで自然なこととして受け入れるようにしています。
そして、「わたしもね、時々みえるよ。大丈夫だよ。」というと、ホッとした笑顔を見せてくれます。
自然なこととして受け入れてあげたら、安心するかもしれない。
話すことで怖さが解放されることもあるだろうし、
自分だけの世界を誰かに知ってもらえることでホッとすることもありますね。
そうそう。
フリースクールで、「人狼ゲーム」という狼が誰かを当てるゲームをやることがあるんだけど、直感の強い子たちが集まると、一瞬でゲームが終わってしまいます。
ほんとは話し合いの中でお互いの腹のさぐり合いをして当てるはずなのに、話し合うことなく、狼を当ててしまってゲームが終わってしまうという(笑)
HSCっこたちと遊ぶとそんな面白いことも起きます。
◆これまでのコラム
➡HSCが抱える心身の不調〜むずむず脚症候群の小学生〜
➡HSCが抱える心身の不調〜朝起きられなくて学校にいけない…起立性調節障害(OD)
writer: 白尾藍 (11歳女子の母)
・ホリスティックサロン アイラ主宰:http://salonaila.com
・ソレンセン式神経反射療法士
・NPO法人こころね理事長
photographer: 長束加奈 (10歳男子、8歳男子、6歳男子の母)
・instagram: https://www.instagram.com/kananatsuka