2020年8月21日
今回は、「学校選び・高校受験」について、お話ししたいと思います。
住んでいる地区は教育熱心なご家庭が多く、ほとんどのお子さんが中学受験をする地域です。
小・中学校は公立に通いましたが、娘がHSCちゃんと分かっている今では、もっとのんびりした地域に引っ越してもよかったのかなとも思います。
というのも、学校は規律があり、しっかりした対応の良い学校なので、安心して任せられましたが、周りが早くから学習塾に通い、いつも競争の中にいるといった雰囲気があったからです。
娘の記憶では、算数の授業で、みんなが手をあげているなか、自分もあげなきゃとあげてみたものの、前に出たら答えられなくなり、「答えられないなら、手を上げるな」とクラスメートに言われたのがきっかけで、それからは手をあげなくなったと言っていました。
授業で答えられて当然、いつも周りを気にしなければならないといった緊張した雰囲気は、HSCちゃんにとっては重荷だったろうなと思います。
この算数の授業での事件があったことを娘から初めて聞いたのは高校生になってからです。高校受験ではそんなことはつゆ知らず、小・中学校と同じような規律ある学校をすすめようとしていた母親としての自分がいました。
一方、娘が選んだのは、自由な校風の学校でした。校則も最低限で、生徒の自主性に任されているといった校風です。が、私はHSCちゃんとまだ気づいていなかったこと、自分が自由な校風とは反対の校風で育ってきたこと、自由な雰囲気に流されてしまうのではという心配から、娘がその学校に行くことをなかなか受け入れられませんでした。
でも、結果的には今はこの高校でよかったと思っています。
思春期なのでもちろん、友達関係では色々とあり、ジェットコースターのような気分の毎日ですが、なんといっても先生との距離が近いのがよかったかもしれないと思っています。校長先生とも距離がどうやら近いようです(笑)講演に来て下さったビリギャルこと、小林さやかさんもそこに驚いていらっしゃったほどです。
何かあれば、すぐに相談できる、柔軟な雰囲気がよかったと思いますし、生徒がのびのびとしているように感じます。学校行事も多く、秋は文化祭、体育祭、合唱コンクールと続きます。娘は勉強だけでなく、行事も学校生活では楽しみたいというタイプなので、あっていたと思います。勉強だけでは息つく暇もないでしょう。HSCちゃんには適度なリラックスタイムが必要です。
勉強するときは勉強して、行事も楽しむ、先生と距離が近い自由な校風。だから、通い続けていられるのかもしれません。もし受験勉強一辺倒だったら、また競争の雰囲気の中、プレッシャーであくせくして心が折れていたかもしれないと思います。
娘曰く、自分を持っている楽観的な子が多いので、自分に合う子が見つかることが大切と言っていましたが、こればっかりは入学してみないと分からないですね。
こんなコロナ渦ですが、可能であれば学校説明会など学校に足を運ぶことをお勧めしたいと思います。先生方の説明の仕方、例えば入試問題の説明の仕方にも校風があらわれていると感じました。「こんなところがでますよ」ときっちり丁寧に説明をする学校は、校則も厳しいと言われている管理型の学校でした。生徒にどこまで任せているか、自由な校風なのかが分かります。娘はそこの学校にはいい印象を持ちませんでした。
HSCちゃんの学校選びのインスピレーションこそ、間違っていないと思います。
親の私のここがいいという感は、私自身にとってあうというインスピレーションが働いただけで、娘にとっては違ったのだろうなと今となっては思います。
「自分は何者なのか」作り上げる思春期。
確かに入学しなければ実際は分からないということも多くありますが、基本は子ども自身が心の底から納得し、入学することが何より大切だと私は感じます。HSCちゃんは自分を持っている子が多く、自分に合う学校を見つける能力があるのではないでしょうか。
◆これまでのコラム
・「理想の娘探しの旅」〜HSCちゃんと気づくまで 第3回(学校行事「体験学習田植え」の思い出)
・「理想の娘探しの旅」~HSCちゃんと気づくまで 第4回(スマホルールとHSCちゃん)
writer: 瀬戸ひろみ
・HSP/HSC子育て心理学カウンセラー
・HP: https://hsc-kosodate.amebaownd.com
・Blog: https://ameblo.jp/hsc-kokorocyokin
photographer: 長束加奈(10歳男子、8歳男子、6歳男子の母)
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