2020年10月23日
すっかり秋めいてきましたね。朝晩との気温の差やキンモクセイの香りで秋を感じます。
あっという間に毎日が過ぎていきますが、空気や香りで季節を感じたり、そのとき感じたことを大切にしていきたいなあと思います。
今日は、HSCちゃんの子育てについて、人から言われたことでモヤモヤしていたものが言語化してスッキリした話をご紹介します。
私は会社員として20年以上仕事をしていたのですが、いろいろ思うところがあり退職しました。
退職の理由のひとつに「小学生になる長男が学校に行かなくなるかもしれない。行ったとしてもケアが必要になりそうな気がする。そのときに私は長男と向き合いながら今のこの仕事をこなしていけるキャパシティがあると思えない。」というものがありました。
この話を周りにしたとき、
「もったいない!なんとかなるんじゃない?大丈夫だよ!」
「まだわからないのに??」
「またまた・・・で、本当の理由はなに?」
と、あまりそのことを本気で言っていると信じてもらえてない言葉が多かったのですが、確かにまだ起こってもいないことで今まで必死で頑張ってきたものを手放すなんて、まさか本気じゃないよね?と思うのも無理はないと今は思います。
中でも忘れられないのが
「自分の子どもを信じないでどうするの?」という言葉でした。
結構キツいですよね。
これ、誰からの言葉だったかというと
夫からでした。
子育てにおいては、一番身近で、重要で、頼りになる、子どもも私のことも一番わかってくれているはずの夫から、です。
こちらの状況がわかってない人に言われてもちょっとカチンときますが、「あー、はいはい(こちらの状況わからないですもんね)」と流せると思うんです。しかし、夫から、というのは、なかなか重い、というか、「え、それどういうこと?え。え??」という感じでした。
夫も悪気があって言ったわけではなく、私が子どもを全く信じてないと思っているわけでないことはわかるんですけどね。
私もそのときは、「信じていない訳じゃないよ!そういうことじゃないけど・・・」と、すぐに自分の気持ちを言語化できず、会話は終わりました。たぶん夫はそのこと自体もう覚えてないと思うのですが、私の中ではずっと引っかかってモヤモヤしていました。
そのとき、私は何が言いたかったのかモヤモヤについて考えてみたのですが
「親としてできることを最大限に考えたい」
「もうこれ以上私は頑張れないし、夫もこれ以上同じペースで仕事をこなしながらさらに子どものケアは無理だと思う」
「長男が私を必要としてくれているのに、それに応えることができないことが辛い」
ということかなあ、でも何か少し違う・・・とまだモヤモヤが続いていました。
そして、あれから半年以上経った頃、朝ごはんもしっかりおかわりし(朝ごはんの食べる量がひとつのバロメーターになっています)、1時間以上前から学校に出かける準備も万端にして、「今日は早く行きたい!もう行ってもいい?(早く登校しても学校開いてないので止めました)」とまで言っていた長男が、いざ出かける直前になって、
「学校行きたくない・・・」と言い始めて、びっくり。
行きたい気持ちもあるようでしたが、行けない気持ちがあり、うまく言葉にできませんでした。少し落ち着いたところで一緒に考え、今日はお休みしようということにしました。最初は泣いて混乱していましたが、学校に行かないことを自分で決めると安心して、本を読んだりひとりで見たかった録画していたテレビを見たり。
そんな長男の様子を見ていて、ふと、夫の言葉から受けたモヤモヤの原因がつながりました。
夫は「子どもが学校に行くこと」を指して「子どもを信じる」と言ったけれど、私が思う「子どもを信じる」というのは、学校に行っても、行かなくても、受け入れて、子どもの可能性を見出し、明るい将来をイメージする、これが私の思う「子どもを信じる」ということなんだ!
私があのときの夫の言葉にモヤモヤしていたのは、私を否定したことではなく、夫が言った「子どもを信じる」という言葉の違和感でした。「信じていること」が指しているものが違っていたんですよね。
そして、ああ、私はまさにこんな日が来るのではないかと想像していたんだ。そのときに長男を認めてあげる選択をしたいと思っていたんだな、と気持ちがスッキリしました。
夫は今日朝早く出勤しているので、簡単に今日長男が学校に行っていないことをメールで報告すると、びっくりしていましたが
「大きな気持ちで見守るのがいいのかな・・・・」と返信が来たので、
「そうだよ!それが子どもを信じるってことだと私は思ってるから!」と返信しようと思いましたが、途中で思い直しました。メールで伝えるとニュアンスが違って取られそうなので直接話したいと思います。
今回のことで改めて「モヤモヤを言語化するって大事~」と思いました。
気持ちもすっきりするし、自分の考えも確信が持てるものになる。
子育ては先が見えないし、答えがないことばかり。HSCちゃんの子育ては、さらに迷ったり苦しんだりすることも多くて、モヤモヤすることもあると思います。そんなとき、自分が何にモヤモヤしているのか、言語化してみることをオススメします。
気持ちがスッキリするだけでなく、どう対処していくのかの方策や解決方法が見えてくることがあります。
私は一度自分で考えたもののスッキリせず、あるときふと納得できる答えが出てきましたが、言語化する簡単な方法は紙に書き出すことです。最初はバーッと思いつくままに書き出すのでOKです。そのあと、余裕があれば、なぜそう感じるのか、や、対処方法について考えるとよりスッキリできると思います。また、誰かに聞いてもらって自分のアタマの中を整理していくと、より早くスッキリできるかもしれません。
そうしてアタマの中にあるものを可視化することで、客観的に自分の気持ちを知り、気づいてなかった気持ちも知ることができます。そうすることで気持ちが軽くなったり、幸福感が高まるという研究結果が出ており、習慣化するとより効果があがるそうです。心理療法としては「筆記開示」という手法ですので、気になった方は調べてみてくださいね。
難しいことを考えなくても、まずは考えていることを書き出してみることでOKですので、モヤモヤするときにぜひ試してみてくださいね!
・子どもに「学校に行きたくない」、と言われたとき、どうしますか?
writer: とりいじゅんこ(7歳男子、5歳男子の母)
HSC子育てカウンセラー・メンター
photographer: 長束加奈(10歳男子、8歳男子、6歳男子 の母)
・日本パステルホープアート協会公認パステル和アートインストラクター
・HP: https://7iro-artwork.amebaownd.com
・instagram: https://www.instagram.com/kananatsuka