2020年7月18日
前回は幼少期の習いごとは ことごとく行けなかったお話をしました。
(➡「理想の娘探しの旅」〜HSCちゃんと気づくまで)
そして、小学生になり、
いよいよ初の習いごとに行くことになったのですが。。
その習いごととは「ピアノ」。
突然、行きたい!と言い出したある日。
理由は覚えてないのですが、もう小学校中学年でしたし、
今度は大丈夫かなと思いました。
もちろん、グループレッスンは絶対にいや!
リクエストは個人レッスンでした。
そこで、近所に女性の先生の教室があったので、見学に行くことに。
小さなマンションの一室。
50代くらいのすごく熱意のある、一生懸命な印象の先生でした。
娘ちゃんも体験レッスンをして、オッケーサイン。
ここなら、続けられるかなと思っていました。
一方で、家での練習は、なぜだか気があまり進まず、いやな様子。
でも、なんとか教室には通っていたので、大丈夫かなと通い続けていたのです。
高校生の今、当時の理由を娘に聞いてみたのですが、
「先生がすごく厳しかった。怒られたり、否定されると、やる気がなくなっていた。自信がなかったから。」との答え。
私は熱心な先生だと思っていたけど、
指導スタイルが、昭和時代の厳しさだったのかもしれません。
その後、初めての発表会で、事件が。。
娘に発表会に出るか?話をしたとき、
即答で「出たくない」。
私も人前で発表できなくても、
コツコツ続けられたら、いいなくらいの気持ちでいたので、
先生に欠席のお返事を出しました。
後日、先生からお電話があり、
「発表会にでないのは、お宅だけです。日頃の成果を発表させてあげるのが、モチベーションにもつながります。出ないというのはあり得ません」というような内容でした。
先生のお話も一理あるとは思ったのですが、本人が人前は苦手なので、今回は欠席で。
とお伝えしたものの、聞き入れて頂くことはできず。
結果、娘は自分の発表の番の時だけ行き、出るという形式になりました。
娘本人の記憶だと、当時かなり強く出るようにレッスンでも言われ、
出ないといけないという恐怖感があったようです。
そして、発表会は先生の指導力を示す場で、
練習も先生自身のためにやっていたように見えていたそうです。
浮かぬ顔でレッスンになんとか行き、発表会にも出られたのですが、
当日は本当によく頑張ったなあと思います。
学校の面談ではいつも、
「もっとみんなの前で発表できたら、いいよね」、
「積極性がほしいですね」
が決まり文句でしたから。
案の定、その後ピアノはやめる結果になりました。
photo: 長束加奈
今にしてみれば、人生経験の一つだったと思えますが、
HSCちゃんだったことを考えると、
習いごと選びは先生の指導スタイルとの相性が大事だったと改めて思います。
それに、私は親にほめて育てるなど自分がされたことはなかったので、
なんとなく、ピアノが弾けるようになるには、「厳しさ」が必要なのかも
と思っていた節があったように思います。
また、「精神的にも強くならなければ、自信をつけてあげなければ」とも思っていました。
でも、HSCちゃんの娘には、それは針のむしろだっただけなのでしょう。
だから、浮かない顔。練習にも身が入らなかった。
「出来ないなりに自分を認めてくれながら、自信をもたせてくれる」
そんな存在が必要だったのかも知れません。
私も練習のとき、もっと、娘ができていることを認めてあげればよかった。
もっと、レッスンはどうだったのか、
話を聞いてあげればよかったと後悔しています。
「習いごとが上手くなるには厳しさと、精神的強さが必要。」
確かにそういったスタイルがあっている、習いごと、
またはお子さんもいるでしょう。
でも、成果を上げることだけに一途な教室は
敏感なHSCちゃんにとっては、刺激が強すぎるのだと思います。
成果のためだけに、厳しくされることは、
逆に自信をなくす原因になるということもあると言えます。
「一人ひとりのペースを大切にして、子どもをよく見て認めてくれる」、
そんな指導スタイルの教室がHSCちゃんにはあっているのかもしれませんね。
前回のコラム:「理想の娘探しの旅」〜HSCちゃんと気づくまで
writer: 瀬戸ひろみ
・HSP/HSC子育て心理学カウンセラー
・HP: https://hsc-kosodate.amebaownd.com
・Blog: https://ameblo.jp/hsc-kokorocyokin
photographer: 長束加奈(10歳男子、8歳男子、6歳男子の母)
・instagram: https://www.instagram.com/kananatsuka