2020年7月22日
このサイトをご覧になっている方は、我が子が「なんだか他の子とは違う・・」「なぜ他の子ができることができないんだろう・・・」「この子をどうやって育てたらいいんだろう・・」と悩んで、いろいろ調べまくってHSCやこのサイトにたどり着いた、という方も多いのではないでしょうか。
それはお子さんがいくつくらいの頃でしたか?
赤ちゃんの頃から、という方もいれば、学校に行く頃、という方もいらっしゃると思います。
私も長男が「他の子と違う・・」ということに悩み、たどり着いた結果がHSCだったひとりです。
私がHSCを知ったのは長男が3歳頃でした。そこに至るまでには今思うと「ヒント」があったなあと思います。今日は長男が赤ちゃんだった頃、そしてHSCにたどりついたときの話を書いてみたいと思います。
まず最初に「この子は何か違う・・・」と思ったのは、長男が生後2ヶ月くらいの頃でした。
ある夜に3時間以上泣き続け、何をしても泣き止まず・・・。熱はないし、顔色がすごく悪いということもない、だけどミルクも飲まない、いつもは寝る時間なのに寝ない、何か病気なのか?今から病院に行く?もう夜だから救急病院しか開いてない、救急に駆け込むほどのこと?じゃあ何で泣き止まないんだ?と頭の中がグルグル・・・。
今考えると、泣くだけならそのうち泣き止むだろうし、外に出て気分転換するとかお風呂に入れてみるとかいろいろ試しながら泣き止むのを待ったと思うのですが、私もお母さんになりたてで、変に刺激を与えるとかえって悪影響になるのではないかと思い、抱っこする、ミルクあげる、おむつ替える、くらいしかできませんでした。
夫も仕事でまだ帰らない中、泣き止まない我が子を前にひとりで茫然としていたのですが、電話で健康相談ができるサービスがあったことを思い出して、藁にもすがる思いで電話してみました。
状況を話し、応対してくださった方(看護師さんとか保健師さんとかだと思います)から
「今日何かいつもと特別なことはありましたか?」
と聞かれたので
「・・・思い当たることと言えば、今日初めて予防接種の注射を打ちました」
と答えたところ、
「ああ、じゃあきっとそれですね!今日の出来事を思い出しているんでしょう。発熱する、顔色が悪い、というようなことがなければ、お母さんは大変だけどお付き合いしてあげてね。繊細なお子さんなのね。さすがにもうすぐ泣き止むと思うので寄り添ってあげてね」という答えが。
え、注射打ったときにはそれほど泣いてなかったのに?それも慎重を期して、ワクチン同時接種ではなく単独摂取にしたのに?夜に思い出して3時間泣く??どういうこと??子どもってそんなもの??繊細な子ども・・・???
と私の頭はいっぱいになりましたが、まずは病気ではないことにホッとしてしばらく抱っこし続けたらようやく泣き止んで寝てくれました。
その出来事によって、「繊細な子」というキーワードだけはぼんやりと頭に残りましたが、そのことについてそのときはあまり深く考えていませんでした。
今思うと、はっきりと「繊細な子」って言われているやないかーい!と思うのですが、当時は初めての子育てで「こんなもんなのかな?」「まだ赤ちゃんだし・・・」と思っていたことと、抱っこしていないと泣く、寝たと思ってもすぐに起きる(宅配便のピンポンでも起きてしまうのであまりネット通販も利用できませんでした)というなかなか手がかかる子だったので日々のお世話に精一杯だったこともあり、スルーしていたんですよね。
でも私がイメージしていた子育てや子どもの様子と違うことが増えてきました。あれ、なんかやっぱり「思ってたんと違う」・・・。
ちなみに2歳頃までの「思ってたんと違う」ことは
・離乳食食べない
(HSCあるあるですよね!長男はなぜか1歳直前に急に食べ出し、今では7歳でも大人以上に食べます)
・芝生や砂浜に裸足で立てない
(1歳のときの保育園の七夕の短冊に「芝生に立てますように」と書きました・・・)
・保育園は好きだけど私と別れるときに必ず泣く
(これは5歳頃まで続きました・・・そして初めての場所では今でもあります)
・保育園の中のレイアウトが変わっているといつも以上に泣いて私のもとを離れない
(いつもと違うことを察して不安に思っていたんでしょうね。今なら理解できます)
・服のこだわりがある。
(着心地などこだわりますよね。長男はお気に入りのレインコートがあり、サイズアウトになっても他のレインコートを頑として着てくれず、困った覚えがあります)
・運動会や発表会の練習ではすごく上手にできるのに、前日から熱が出たり、本番になると人前に立つことすらできなくなる。
(これもあるあるですよね。今考えたら、HSCちゃんには酷だったな~と思います)
などなど。書き出すときりがありませんね・・・
だんだん増えていく「思ってたんと違う」「なぜうちの子はできないのか」という思い。他の子どもと比べては、ひとりで惨めな思いになっていました。一方で長男の持つ理解力や何かを知ろうとする探求力には可能性を感じていて、長男の「違い」は何かについて知りたい気持ちが強くなり、いろいろと調べてたどりついたのが、アーロン博士の「ひといちばい敏感な子」という本でした。
ひといちばい敏感な子
この本を読んで、
まさにこれ!うちの子!
と目の前がパーっと明るくなるような感覚でした。
障害ではなくて個性なんだ!この個性を大切にして育てていこう!
という強い思いが生まれてきたことを覚えています。
正直本に書いてあること実行しようとすると果てしなく感じてしまうこともあり、全てできるわけではないですが、特性を理解して子どもと接すると、うまくいく事例が増えていく感覚があり、それを感じることで私も惨めに思うことはなくなっていきました。
この本の中でHSCを育てるのは大きな喜びなのだとアーロン博士が言っています。そして、自身もHSCを育てている博士の座右の銘は「他とは違う子の親になるなら他とは違う親になる覚悟が必要です」であるとも記されています。
大変なことも多いけれど、まずは自分が楽しむこと。そうするとそれが子どもにも伝わって子どもも楽しんでくれるはず。
私たちも覚悟を持って、HSC育てを楽しんでいきたいですね!
前回のコラム➡アーロン博士のドキュメンタリー映画を見に行きました!
writer: 鳥井純子(7歳男子、5歳男子の母)
・キャリアカウンセラー
・コーチ・メンター
・HSC/HSPメッセンジャー