コラムColumn

HSCちゃんの才能と資質

HSCちゃんの洞察力と兼ね備えた『倫理観』

2020年7月23日

我が家の洞察力の強いHSCちゃん4人の話。

 

長男・次男が中学生の頃。

三男が幼稚園、まだ私は公園遊びに付き合っていた。長い・・・(笑)

その日、三男はお友達4.5人で遊んでいた。

それぞれにお母さんの付き添いがあり、
ママ友達は近くでおしゃべり。よくある風景。

 

その時、三男がお友達にいたずらをされていた。

最初は軽いいたずら、着ていた上着のフードに
お菓子のゴミを入れられていた。

 

最初やっていたのは1人。

三男は「やめて」と言って逃げていた。

 

それから周りの子は、止めるどころか
人数が増えて、そのうち全員がやり始めた。

 

そしてお菓子のゴミだけではなく、公園の枯葉なども入れ始めた。

フードを押さえつけて、入れる子どももいた。

 

私はその様子を黙って見ていた。

最初は、三男がどうするか?

私に助けを求めるのか?など考えながら見ていた。

 

三男は「やめろ!」と自分で言っていた。

私は、その事に感心していた。

 

しかし、段々とエスカレートして、
枯葉を入れられたり、フードまで引っ張られているのを見ていたら、
私自身は無性に腹が立ってきた。

 

横にいるママ友を見ても、我が子を制止するそぶりもない。

子ども達もママ友達も整列させて説教したいくらい(笑)

はらわたは煮えくりかえっていた。

 

でも三男は決して私に助けも求めず、やり過ごした。

泣きも怒りもしなかった。

 

冷静に「止めてほしい」と伝え、
やられないように逃げるだけだった。

人数が多いわけだから当然逃げきれるわけではないが。

三男は耐え抜いた・・・

 

三男の様子を見て、私もグッとこらえて家に帰った。

 

 

怒りでいっぱいだった私は、
ちょうどリビングにいた長男にその出来事を話した。

 

長男は「○○(弟)はどうしてたの?」

私「我慢してたよ」

長男「へー!偉いじゃん!」

(ん?偉い?)

 

その後で帰ってきた次男にも同じ話をした。

次男「○○(弟)はどうしてた?」

私「我慢してたよ」

次男「偉いじゃん」

(同じ事言う?!(驚)・・・にしても偉い?)

 

 

母親になり体裁やら常識などで頭が固くなってしまっていた私には
HSC長男・次男が言わんとした意味は理解できていなかった。

(何が偉いんだ??・・・)

 

この時はまだ、子どもには親・大人が『教育する』『しつける』もの

『教えこむもの』だと思い込んでいた。

 

私は、長男が不登校になり、心理学と出会い
新しい価値観へ導いてもらい、改めて色々な気付きを得たが、

HSCちゃんは、本能的に、
私達大人が見過ごしてしまう『倫理観』を搭載しているのである。

全くこれには驚かされる。

 

三男の兄である、長男・次男が言いたかった事。

 

相手とやり合う事ばかりが強さではないという事。

大人に解決してもらう逃げ道を選ばなかった事。

耐え抜くというのは、一見弱虫のようだけど、
相手も非難せず自分も曲げず、意志のある選択である事。

 

弟が弟なりの解決策を考え、実行した事を褒めたのではないか。

 

 

大人に介入してもらっても、全員が納得できる解決策を提案できる大人は少ないと、HSCちゃんはわかっているのかもしれない。

 

例えば、この公園での出来事に私が介入したとしても、
その場はしのげても、子どもの世界では日常的な出来事であったり、
もちろん、子ども同士、逆の立場になる事もある。

変に事を荒立てるのは得策ではないと・・・知っている。

 

とても子どもは大人である。

 

そう考えると、いじめなどの深刻な問題でない限り
大抵、大人の介入は「その場しのぎ」なのかもしれない。

そして、大人は場を収めた事に満足していて、
子どもの繊細な心の動きには気付いていない・・・

 

HSCちゃんは大変、大人である。

親や先生の、変な正義感もよく知っている。

その場を切り取って、
解決した気になって酔いしれているのは大人だけ。

親や先生よりも深く物事を理解し、正しく判断ができている。

 

 

そして、娘(唯一の女子!)が小学校高学年の頃の話。

先の公園騒動と逆の立場のような話があった。

 

娘のお友達のお母さんから連絡があった。

「○○ちゃん(娘)に言われたことに傷ついて泣いて帰ってきた」

「謝ってほしい」

私は、出先でその連絡を見た。

もう気が動転!!

 

家に帰ってすぐ、娘にその話をした。

(無意識に娘を責めていた・・・)

娘は一言「ずるくない?」と言った。

(私はびっくり・・・ずるい?)

娘「○○ちゃん(友達)の話だけ聞いて、そういうの・・・」

「○○ちゃん(友達)だって私の事を言うし・・・」

「(都合よく)自分の話はお母さんにしないだけじゃん」

「自分で(私に)言えばいいじゃん」

 

娘は段々、感情的になって泣きながら訴えた。

たぶん、最初の私の言い方にも咎められている気がしたのだろう。

私はそこでハッとした。

「あ、そうだよね!!」

「そうだよねーー!!」

「ごめんね!嫌な気持ちになったよね!」

私は娘の方がよくわかっていて恥ずかしくなった。

よくよく冷静に考えてみるとごもっとも!!である。

(私は深く反省・・・)

という具合・・・

 

 

結局、三男の公園騒動にしても、娘のお友達のお母さんの話にしても

問題は、母親自身の感情だったのだと思う。

「うちの子に何してくれるの!!」(怒)である。

 

母親あるあるである!!!わかりすぎる気持ちである。(涙)

 

この言葉の裏には、我が子が軽んじられているような気がしたり

母親自身のプライドが傷つけられたりしているのかもしれない。

 

そういうお母さんの姿を見たら、
繊細なHSCちゃんは
自分の弱さを否定して、
自分をダメだと思ってしまうかもしれない。

 

こういう事でよく考えて、理解していきたいのは、

母親の価値観と我が子の価値観は違うという事だと思う。

 

 

友達に抵抗しないで我慢したり、泣いたりするのを見ると
お母さんは不甲斐ないと思ってしまうかもしれない。

だからついつい口を出してしまう・・・

これも母親あるあるである。(笑)

 

でも本当に大切な事は、

我慢した我が子の頑張りに寄り添う事だったり

泣いて帰った我が子の気持ちに共感する事だったりするのだと思う。

 

子どもそれぞれが選ぶ解決策を応援してあげたい。

母親自身とは違う解決策を選んだ時は褒めてあげたい。

 

そうやって子どもは「自分」を形成していくのだと思う

 

そして、大人達が『教えこむ』かたちではなく、

子ども同士の価値観のやり取りの中で、本当の『思いやり』を

育んでいってほしいと思う。

 

 

前回のコラム➡元こじらせHSC・現HSC4人子育て中 母が感じる「HSCちゃんにとって一番大切だと思うコト」

 

 

writer: うめもと かおり (20歳男子・17歳男子・13歳女子・10歳男子の母)

・HSP・HSCカウンセラー
・自己肯定感カウンセラー
・Heart Smile Presentサポーター
・ママ達の心の整え方教室主宰

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photographer:  長束加奈(10歳男子、8歳男子、6歳男子の母)

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