2021年2月17日
不登校の親の会『cotton~こっとん~』、HSC親の会『ぞうさんのはな』代表/
HSP・HSCカウンセラー/HSPメッセンジャー/魔法の質問キッズインストラクター
藤田恵理さん
(zoomにてインタビュー)
不登校の親の会『cotton~こっとん~』とHSC親の会『ぞうさんのはな』の代表をしていらっしゃる藤田恵理さん。
HSP・HSCカウンセラー、HSPメッセンジャーでもあり、お茶会や講座を毎月開催するほか、
魔法の質問キッズインストラクターなど多岐にわたって活動中です。
3年前からスタートした活動や、HSCである3人のお子さんの子育てなどについてお話をお伺いしました。
―――最初の活動は、2017年に立ち上げた不登校の親の会『cotton~こっとん~』。
始めたきっかけは何だったのでしょうか。
藤田恵理さん:小学5年生の息子は、小学校入学から1週間で登校しぶりが始まり、2学期から不登校になりました。
悩んでもがいて自問自答するなか、まずは親からだ、と。
親が受け入れられる、許されると感じる場所があったら、家庭を子どもの安全基地にする土台になる。そして子どもを支えることにつながると思いました。その思いを形にしたのが『こっとん』です。
―――『こっとん』では、どんなことをなさっているのでしょうか。
藤田恵理さん:不登校経験者のゲストスピーカーをお招きし、座談会を開催することもありますが、基本的には抱えている気持ちを話す場所になっています。こんな場合はどうしていますか?など質問されないかぎりは、ただただ話を聞きます。
―――話を聞いてもらうことで、気持ちが落ち着くことってありますよね。
藤田恵理さん:感情を出し切ったら、スペースができますよね。そこから自分を信じてみようという気持ちが生まれるんじゃないでしょうか。自分を信じられないかぎり、子どものことは信じられません。まずは親からだと思います。
―――まずは親から。その心境にはどうやってたどり着かれたのでしょうか。
藤田恵理さん:ずっと生きづらさを抱えてきて、自分を救いたいと心理学の勉強をしていました。本を読んだり、講演会に行ったり、自問自答を繰り返したけれど、学んできたことが腑に落ちたのは子どもが不登校になってからです。自己肯定感の低い私のようになってほしくなくて頑張っていましたが、ダメでした。
子どもには、特にHSCの子には親の感情は伝わります。
―――HSCの子に親の感情が伝わっている。身に覚えがあります……。
藤田恵理さん:小学4年生の娘は共感系。忙しい時に娘から話しかけられたことは一度もありません。暮らしのなかで口からとっさに出るのは、子どもをコントロールしようとする言葉です。HSCは傷つくことが多いから安全な道を行ってほしくて、無意識に先回りする。自分自身もHSPだからなおさら。
息子と娘が不登校になり、一番強烈だったのはこのことでした。コントロールしないためには、子どもがどんな状態でも信じることが大切。そして信じるためには、自分を信じることから始めようと、怖くてのぞきこめなかった自分のドロドロに向き合いました。
―――自分と子どもを信じ続けるのは難しいと思います。その気持ちがぶれた時は、どうやって戻るのでしょうか。
藤田恵理さん:落ちるところまで落ちます。子育てやめてやるー!って思うぐらい(笑)。
落ちるところまで落ちたら、あとは上がるしかないですし、ぶれるのは大歓迎。
ぶれればぶれるほど自分の感情に正直でいられるし、根っこは強くなるんじゃないでしょうか。
戻っていくのはそれぞれに合う方法があると思いますが、私の場合、ブログに助けられています。無限ループにならないように、いったんブログではきだす。人に伝えるために書くには客観視しないといけないので、そこで気持ちの整理をしています。
人に話を聞いてもらう方法の人もいますよね。『こっとん』を立ち上げた理由のひとつが、聞いてもらうだけで救われる人がいるんだとわかったことです。
―――ぶれることもあるなかで、小学5年生の息子さんと、小学4年生の娘さんは動き出すタイミングが違いました。その間、心がけていらっしゃったことはありますか。
藤田恵理さん:先に娘の方が動き出し、昨年1年間別室登校をしていました。
その時に「ふたりが揃っている場面でどちらかを過剰に褒めない」「学校へ行く=お母さんが喜ぶ」をすりこまないようにすると決めました。
その後、娘は家でのおこもり期間に入り、息子は今年になって時々登校して教室へ行ったり、家で勉強をするようになっています。
歩き出すタイミング、歩くスピード、止まるタイミング、止まる時間。
それは親や常識が決めることではなく、本人が決めること。動き出したことに目を向け過ぎずに、変化していくあなたも、変化しないあなたも、ありのまんま、そのまんまで素敵なんだって伝えることを忘れずにいたいと思っています。
―――『こっとん』から始まった活動に、HSCの親の会『ぞうさんのはな』、HSP・HSCのお茶会や講座が加わりました。
どのような想いで開催なさっているのでしょうか。
藤田恵理さん:私もずっとしてきた、育て方が悪かったんだと思う「自分責め」がHSPやHSCの概念を知るだけで減るんじゃないかなと考えています。
そして種まき。どの芽が発芽するかはわからないけれど、話を聞いてくださった方が、たまたま子どもたちの行った先にいるかもしれない。概念が広まってくれたら、子どもたちが成長した時に今より生きやすくなっているんじゃないでしょうか。
―――最後に、HSCちゃんとママへのメッセージをお願いします。
藤田恵理さん:子どもも自分も、ありのまんま、そのまんまを認められたらいいなと思っています。
ダメな自分でいいじゃないですか。その方が、子どものダメなところを受けとめられます。私自身3人の子育て真っ只中で、同じくトライ&エラーの繰り返し。過去を否定するのではなく、ぎゅっと抱きしめて、同じ目線で、私もこの子も大丈夫から始めていけたらいいかなと思います。
◇藤田恵理さん ブログ
(活動の告知も掲載。オンライン開催あります)
◆これまでのコラム&インタビュー
【インタビュー】『君が君らしくいられる』それが何よりも大切なこと~学校がすべてじゃないんです
【インタビュー】「八方ふさがり」そう思ったときでも、情報があれば望む方向へ進んでいけます
writer: 村上泰子(16歳女子、13歳女子の母)
・アロマメディテーション セラピスト
・Webライター
・香りは人生の羅針盤 自分の本当の気持ちがわかるアロマメディテーション
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photographer: 長束加奈(10歳男子、8歳男子、6歳男子の母)
・日本パステルホープアート協会公認パステル和アートインストラクター
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