2021年1月22日
宅間和美さん
ヨガインストラクター/ 美構造Ⓡ開脚システムインストラクター/『いばしょかふぇ』『いばしょかふぇ+プラス』『ほっこりかふぇ』主催
(昨年11月まで『いばしょかふぇ』を開催していたKYOTO LAUNDRY CAFEにて
ソーシャルディスタンスを保ちながらインタビュー)
ヨガや美構造Ⓡ開脚システムのインストラクターをなさっている宅間和美さん。
学校に行きづらい子どもたちと、その子たちを支える大人が集まる『いばしょかふぇ』を立ち上げ、
HSPやHSCのお話会も開催していらっしゃいます。
KYOTO LAUNDRY CAFEから始まった『いばしょかふぇ』は、集う人が増えていき、
昨年12月に京都の町家『傍楽(はたらく)』へ移転。さらに交流が広がっています。
普段はボディワークを伝えている和美さんが、『いばしょかふぇ』を始めた理由や、
どんな想いでお話会をなさっているのかなどについて、インタビューさせていただきました。
―――『いばしょかふぇ』のコンセプトは「何もしなくていい。ただいるだけでいい。」
どのような経緯でこのコンセプトになったのでしょうか。
宅間和美さん:私の不登校の子どもがきっかけでした。たまには外に出て、カフェでお茶でもしてみる?と声をかけてみたら、「外に行っても、ずっと周りの目が気になって疲れる。この時間、学校じゃないの?と思われていそうなのも疲れる。カフェでお茶するにも、一人カラオケしようにも、親にお金を出してもらわなきゃいけないから気が引ける」と話してくれたのです。
少し動きたいと思うようになっても、これらをしんどい、敷居が高いと感じるエネルギー量の時があるのかと気がついて。フリースクールに行っているお子さんでも、その場所にたどり着くまでが精一杯、カリキュラムに参加する気力の残っていない日があるのかもしれないなと思いました。
―――その子のエネルギー量がどれぐらいかで、違いがあるのですね。
宅間和美さん:そうだと思います。定期的にフリースクールへ通うエネルギー量はまだないけれど、たまには外で、誰かの気配を感じて、何かをしてみようかなと思う状態ってありますよね。そんな時に行ける場所を探してみたら、どこにもありませんでした。
エネルギー量がたまっていくには段階があるから、0か100になるのではなく、また社会とつながるまでの選択肢はたくさんあった方がいいよなあ。
そう思って、「何もしなくていいし、自分のペースでやりたいことをやる、ゆるいところあるけどどうですか」と提案しよう、自分で立ち上げようと決めました。
―――『いばしょかふぇ』開催お知らせの文章のなかに、「いつもの子も初めましての子も、みんなみんな待ってます」との言葉があり、肩の力が抜けて行きやすくなりそうだなと思いました。KYOTO LAUNDRY CAFEで月1回、10~17時までオープンしていた時は、どんな様子だったのでしょうか。
宅間和美さん:最初の一歩や、継続して来るハードルを下げたいと思って考えた文章です。小学生から社会に出ている子までが集まっていて、トランプやスイッチで遊んでいる子、座っているだけの子、定位置で本を読んでいる子など、みんな思い思いに過ごしていました。来る時間もバラバラ。ほとんどの子が17時までいるのが嬉しかったです。
祝日開催した時は、スクリーンにスイッチをうつして遊んだり、焼きそばを作ったりしましたが、参加してもしなくてもいいし、食べても食べなくてもいいとの姿勢でいました。
小学生のお子さんは保護者同伴なのですが、ここは子ども優先の場所。周りに気を遣って、お子さんに強制はしないでくださいとお願いしています。
お母さん同士は、深刻な話はしないようにしていますが、「しんどいなー」ぐらいは言い合ったり、習い事やフリースクールの感想など、SNSではあがってこない本音の情報交換などもしていました。
―――和美さんは何をして過ごしていらっしゃったのでしょうか。
宅間和美さん:退屈してそうだったら、お菓子食べる?と声をかけにいっていましたが、近寄りすぎるとしんどくなる子もいる。そのあたりのバランスを大切にしていました。
子どもを相手にしているというより、友達同士の感覚なんです。大人も子どもも、年齢関係なくみんな対等。場がそんな雰囲気になっていました。
(ある日の『いばしょかふぇ』の様子)
―――和美さんご自身が、温かくてフラットな雰囲気です。
宅間和美さん:えー、そうですか。私というより、『いばしょかふぇ』の雰囲気がいいと思ってもらえるのだとしたら、場所を貸して、いろんな協力をしてくださったKYOTO LAUNDRY CAFEのオーナーのお人柄の影響もあると思います。さらっと細やかな気遣いをしてくださる、とっても素敵な方なんです。
12月から『傍楽』さんに開催場所が変わった時も「おめでとう、よかったね」と喜んでくれました。『傍楽』さんは、思わず寝そうなぐらい(笑)リラックスして過ごせるところです。
―――協力してくださる方は、どうやって探されたのでしょうか。
宅間和美さん:違和感に素直に動きました。ちょっと違うなと思ったら、なるべくもう行かないようにして、無理をしない。波長があうところに顔を出して、この人とやりたいなと感じたら、自分のアイデアを伝えました。想いがあふれてSNSに書いた投稿を読み、連絡をくれた方もいました。声に出してみるって大切だなと思います。
―――HSPは共感性が高いだけに、自分のほんとうの気持ちがわかりにくくなる傾向があると思うのですが、いつ頃から、ご自分の気持ちに素直に行動なさっていたのでしょうか。
宅間和美さん:HSCの子どもが不登校になって、すごく悩んでいた時に「子どもの課題を取り上げるのは親の罪だ」という言葉に出会いました。
ショックでしたが、確かに、子どもと同じ失敗をすることも、課題に取り組むことも、根っこの部分ではできない。衣食住を整えて、エネルギーが満タンになるのを待つ間、親がどうしていたら子どもは楽かな?と考えました。
そして子どもだけじゃなく親も、違和感に素直に、心地よく過ごすことって大切なんじゃないかなと思い、実行するようになりました。
―――その先に、『いばしょかふぇ』があったのですね。
宅間和美さん:はい。親がどうしていたら子どもは楽かな?を考えているうちに、子どもがえいっと行動したくなった時に、場所や情報を提供できるようになっていたいと思いました。探していくなかで、『いばしょかふぇ』を開く際にアドバイスをもらった『傍楽』さんをはじめ、不登校支援をしている人たちとつながり、その方たちと『京都・子どものミライ作りポレポレ』も立ち上げました。
―――昨年12月、『いばしょかふぇ』は『傍楽』さんへ移転しました。大きな変化ですね。
宅間和美さん:『傍楽』さんは、「自分を大切にする」を考える場として、学生から社会人向けまでのいろんなイベントをなさっています。
『いばしょかふぇ』に来てエネルギー量が増え、もっといろいろやってみたいなと思った子に何かを提供したいと考えていたのですが、それを実現できました。
『いばしょかふぇ』はコンセプトそのままで継続し、大人と子どもが「好き」でつながり一緒に学ぶ『いばしょかふぇ+プラス』、子連れで参加できる親の会『ほっこりかふぇ』も開催することになりました。
―――大人と子どもが「好き」でつながる。とっても素敵ですね。『いばしょかふぇ+プラス』ではどんなことを学べるのでしょうか。また、『ほっこりかふぇ』にはどんな方が集まるのでしょうか。
宅間和美さん:第1回目はアートセラピーを体験します。大人は色や絵を通して自分と向き合う時間を過ごし、子どもはのびのびと好きな絵を描く。講師は作品を創作しながら、自由に絵を描く楽しさを伝えている絵描きのほしのしほさんです。
『ほっこりかふぇ』は、学校に行きづらい子どもたちを支える大人が集まる場所。ほっと一息つける時間を過ごしてもらえたらなと思っています。お話している間、『傍楽』さんで活動している『学生団体 SMILE』さんが、子どもを預かってくれます。
社会状況により、1月はいずれも中止または延期になりましたが、落ち着いたら開催する予定です。
―――知っていたら、親子共に楽になれそうな情報です。HSPやHSCちゃんのお話会も、「楽になれる」を大切にスタートなさったそうですね。
宅間和美さん:基本的な知識と一緒に、「ここをケアしたら親子共に楽だよ」を伝えたいです。脳の特性だと知っていたら、自分責めしなくていいし、自分を知るツールのひとつにもなりますよね。悩みながらも、最終的にHSP、HSCでよかったと思ってくれたらいいなと考えています。
―――最後に、HSCちゃんとママへのメッセージをお願いします。
宅間和美さん:学校という大きな組織にいなくてもいいと思います。コミュニティの形はさまざまで、地域や年齢が同じでなくても、友達に出会えます。
私はHSS型HSPで、やると決めたことはやる性格のため『いばしょかふぇ』を立ち上げましたが、いろんな道がありますよね。「みんなこうしてる」と言われても、違和感をなかったことにせず、自分に素直でいたら、HSCちゃんとママにとって心地よく過ごせる場所は見つかると思います。ぜひ自分たちのペースで、ゆっくりでも、細々とでも、探してみてください。
?宅間和美さん
ブログ(いばしょかふぇ関連のお知らせも投稿なさっています)
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?京都・子どものミライ作りポレポレ
(不登校や学校に行きづらい子たちの支援活動をしている団体が集まっている場所。
それぞれの活動内容も紹介されています)
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ペライチ
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◆これまでのコラム&インタビュー記事
【インタビュー】『君が君らしくいられる』それが何よりも大切なこと~学校がすべてじゃないんです
「八方ふさがり」そう思ったときでも、情報があれば望む方向へ進んでいけます
writer: 村上泰子(16歳女子、12歳女子の母)
・アロマメディテーション セラピスト
・Webライター
・香りは人生の羅針盤 自分の本当の気持ちがわかるアロマメディテーション
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