2020年9月7日
結論から申し上げます。HSCっ子の命綱であるママ達は、自分をサポートしてくれる人やものを意識的にたくさん持つべき!
子供の事を考えてあげるのと同じくらい、いやもしもママ本人がHSPである場合には、1.5倍くらいご自分のサポートにお金や手間をあてていいのではないかと思います。心身両面と社会的なもの、3つの領域全てに、です。
先日私は婦人科の定期受診をしました。オーソモレキュラー(分子整合栄養学)の先生でもあるので、婦人科のみならず身体の全体的なことについても相談しています。かれこれ4~5年くらいお世話になっています。
血液検査を見ると色々が分かるらしく、「〇月に何かあった?胃から出血してるのかな…胃もたれとかもあったかもしれないね。」と言われました。
一見喜ばしい事でも変化は変化なのでストレスになるものです。今回はHSC次男(小6)が3年間の不登校を経て、首都圏でのコロナの緊急事態宣言終了後に登校することにし、通い始めたけれどもそれはそれで大変な面もあることの報告をしました。
「すごいね!そんなお話が聞けて私も嬉しいな」と言って下さいました。登校したら全て解決という訳はもちろんなく、「家にいてくれた方が楽だな」と思うことも多々あり、またこの先も続くHSCの進路や生き方については今後も色々山あり谷ありと思います。けれどそんな風に都度の様子を見知っていただき、折々にねぎらってもらい、伴走してくれる人が大人にも必要なのです。
ちなみに、他のサポート手段をあげてみると。
◆身体 婦人科、オステオパシー、栄養(サプリ)、ヒーリング
◆心 小学校のスクールカウンセラー、心理職の仲間、ヒーリング
◆社会 SNS、不登校やHSP/HSCのセミナー参加
このような感じです。それぞれに実体験をもとに詳しく書いてみます。
<身体のこと>
身体には大分テコ入れしてます。セルフケアだけでは追いつかないため、婦人科以外にも鍼灸に行ったり、アロママッサージを受けたり。やはりHSPなのでとにかく身体が疲れやすいのです。楽になりそうなことを色々試し、今はオステオパシーというソフト整体のような施術をしてくれるところに落ち着きました。プロの手を借りて月1で定期的にメンテナンス兼モニターをしていただいています。
実は、小3で次男の登校渋りが始まって3カ月程した頃に、ずっと落ちついていた私の持病が再発してしまったのです。
私自身は当初から「辛いなら学校は行かなくてもいい」と思っていました。しかし次男本人の「嫌だけど学校は行かなくちゃいけない」という葛藤の気持ちや、「まさか我が子が」という夫の驚きと何とか行かせたい思い。また当時は一般的に「不登校は問題であり、学校へ戻すこと」という認識でしたので、学校側からのアプローチなどに挟まれて、にっちもさっちも行かなくなって身体が音を上げたのでした(不登校に関する現行の文科省の通知はこちら)。
これがきっかけで自分の受診のために休みを取ったり、すごく勇気がいりましたが職場にも体調と次男のことを相談し、勤務日を減らし時短勤務にするなど具体的に負担を減らしていき、合わせて身体のメンテナンスも組み入れた訳です。
<心のこと>
心理面では、次男の登校渋りが始まってから小学校のスクールカウンセラー(SC)さんに本気で「私のサポートをして!」とお願いしました。同業者ですが私も一人の悩める親であり、最初夫の理解が得られず孤軍奮闘だったのです。夫が次男の不登校を受け入れるまで1年くらいかかったでしょうか?この期間が一番きつかったです。体育会系で非HSPの夫はスポーツ万能な次男を可愛がっていました。何でどうして、何とか学校に行って欲しい、行かせなくていいの?との気持ちと、実際に目の前で辛そうにしている次男をどう受け止めたらいいのか分からない心情の間で、夫も揺れ動いていたのでしょう。
次男と夫の2人の気持ちを受け止めなければならず、私の気持ちは誰が受け止めてくれるの?と心が悲鳴を上げて、もう必死のお願いでした。学校内で理解してくれる人が欲しいとも思っていました。
以来1学期中に1回のペースでお話しています。学校内の方に一斉教育の不自然さを共感していただいたり、制度と現場の間で苦労される先生方のお話が聞けると、自分や子供とそれを取り巻く環境、社会まで、少し俯瞰して見ることが出来ました。
先生方の中でも発達特性があるお子さんを持つ先生がいらっしゃり、ご多忙な中声をかけていただいたこともありがたかったです。そういう風にして、皆支えあっているんだなと思いました。
私は公認心理師・臨床心理士で普段は大学でのスクールカウンセラーをしており、学生達には日々「自立=自分で問題を解決できることって思うかもしれないけど、実は相談力が大事なんだよ!大人になるって、いかに相談が上手くなるか、相談先が見つけられるかってことでもあるんだよ」と伝えているのですが、自分では相談が本当に下手(笑)。
心の専門家なのに自分の子供のこともどうにかできないの?と思われたり、言われたりするのでは、との怖さもありました。実は実際そう言われた時もありますが「専門家はちゃんと自分のスーパーバイザーやカウンセラーを持つことが義務なんです」と言い返しました。この経験から今では、逆に自分も専門家のスーパーバイザーをしています。
また、私はHSPですが、HSPはマイノリティ故に言っても理解してもらえなかった経験が多かいのです。そのような訳で、窮地を訴えるのに何重にも抵抗感がありました。
よく「カウンセリングは美容院に行くみたいな感覚で行くといいよ」とも言っていますが、次男の件を通して、何も問題がない時から自分の事を話していく、その時間を作るのが大切だなと再確認しました。
<社会的なこと>
社会的な面では、不登校の親の会などがあればよかったのですが居住地域にはありませんでした。なのでFBで不登校の友人とやりとりしたり、この感性キッズなどを読み同じように悩んでいる方々と、セミナーを通じてゆるく繋がっていきました。やはり、同じ境遇にいる方々とやりとりできると心の余裕が出来て具体的な方法のヒントも得られるし、エンパワメントされますね!
親が助けを求めたり、サポートされているのを見ると、子供も「そうしていいんだ」と思える。子は親の背中を見て育つと言いますが、モデルを見せるという意味でも積極的に援助を求めたいところです。今後も山あり谷ありと予測していますので、まだまだ欲張ってサポート資源を増やしていくつもりです。
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今回は、不登校HSCっ子のサポーター(親)にもサポートが絶対必要!積極的に求めた方が子供のためにもいい!ということを書きました。
次回は、不登校中の次男にどんなサポートをしたか、を書きたいと思います。
◆これまでのコラム
・宝箱に眠っているものは?‐HSP/HSCの才能
・HSPの研究文献とWebサイト紹介
writer: 古田明子(14歳男子、11歳男子の母)
・公認心理師
・臨床心理士
・JTA日本遠隔カウンセリング協会 認定スーパーバイザー
・HSP-高感受性さんのための青空カウンセリング https://ameblo.jp/yamanashi-leaf
photographer:長束加奈(10歳男子、8歳男子、6歳男子の母)
・instagram: https://www.instagram.com/kananatsuka