2020年10月26日
わたしは、ソレンセン式神経反射療法のセラピストの傍ら、
千葉市のNPO法人こころねの不登校支援としてフリースクール地球学校を開催しています。
ひといちばい繊細な感性を持つと言われるHSCちゃん。
学校という刺激の多い場に馴染めずにいわゆる不登校になることもあります。
わたしの肌感覚ですが不登校になる子の7割くらいは繊細な質を持っている子なんじゃないかと思います。
地球学校は月に3〜4回の頻度での開催。
フリースクール準備室を立ち上げてから約3年。
今では地域の方々が協力してくださり、
自然豊かなキャンプ場や修道会の建物で活動させてもらっています。
素晴らしい環境の中で、自然体験レッスンやアートやクラフト、
音楽など感性をキラキラできるレッスン、地球環境や地球の課題SDGSなどを学んだりしています。
地球学校にはHSC女子が6〜8人集まり、幼なじみのようないとこのような気のおけない仲間で共に過ごしています。
不登校になりたての頃や通い始めた頃は、様々な葛藤の中で笑顔のない不安な顔をしていた子も、徐々に自分らしさいっぱいの弾ける笑顔を見せてくれるようになりました。
こころね地球学校のモットーは
「いちばん大切なのは自分らしく楽しむこと」と、
「コドモもオトナも同じ地球の仲間」
子どもたちが自分らしく心のままにいられることと、大人と対等な存在として尊重されることを大切にしています。
彼女たちは大人よりもオトナなHSCちゃんたちなので、地球学校に集う大人たちと仲良しの友人です。年齢関係なく相談しあったり教えあったり笑い合って過ごす仲間です。
地球学校が大きな家族みたいな共同体になっていくようです。
不登校児童生徒は日本全国で16万人を超えています。わたしの暮らす千葉市だけでも1000人以上います。
現状その子たちの受け皿は十分にあるとは言えません。
行政の適応指導教室はどこも満員状態。
フリースクールに通っている子は2%ほど。
つまり、ほとんどの子どもたちが、学校に行かないなら家にいることしかできない、という状況です。
この数年毎年2万人近くと急増する不登校に教育行政が追いついていないこと。
そもそもフリースクールの数が少ないこと。
たまたま近くにフリースクールがあっても月謝を払う等経済的に厳しいことや送迎の問題があります。
中高生ともなれば、自分でインターネットを介して学んだり交流したりできるかもしれませんが、この数年は不登校の低年齢化がみられており小学生の不登校も増えています。
憲法や子供の権利条約で保障されている学習権、つまり「教育を受ける権利」が満たされていない子どもたちが溢れているということです。
そして多くの子たちは学校に行けない自分が悪いと思っている。
学校に行かないことを問題だとしている周りの人たちの意識を感じとるからです。
だから罪悪感に苦しむ。引きこもる。
これは日本特有の現象です。
多くの先進国ではホームスクーリングは一つの選択肢として当たり前だから。
不登校という現象自体がないのです。
本当は学校に行くも行かないも自由。
自分らしくいられるところを選んだらいい。
そう言ってくれる人がいるなら、
その子そのものを信じてくれる人がいるなら、
子どもたちは苦しむことなく、自分らしく生きる道を選択できる。
そして、自分のままで学んだり遊んだり体験できる学び場があれば、子どもたちはちゃんと自立していくことができる。
そう思います。
そしてそんな場が日本中にたくさんあったなら。
みんなの暮らす地域にたくさんあったなら。
子どもたちは自分に合う居場所に出会うことができます。
そんな社会を実現するには公の力も必要だし、民の力も必要です。
フリースクールを望む人、フリースクールを創りたい人、フリースクールを応援したい人
みんなの声が大きくなれば、社会は動き出す。
そう信じて進んでいきたいです。
◆これまでのコラム
➡HSCが抱える心身の不調〜むずむず脚症候群の小学生〜
➡HSCが抱える心身の不調〜朝起きられなくて学校にいけない…起立性調節障害(OD)
➡HSCっこの不思議な体験の話
➡HSCっ子の不思議な話〜戦争の記憶に共感する子どもたちから教えられたこと〜
➡HSC不登校 〜「明日は学校いく」「学校いきたい」の言葉の奥にあるもの〜