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うちの子育て奮闘記

ホームスクーラーになった子どもと接して感じたこと~親が一番の子どもの理解者になるために

2021年4月3日

春休みに入りましたね。
学校が休みになってほっとする気持ちや、来年度への不安な気持ちなどいろんな気持ちが入り交じっているのではないでしょうか。
私もそうです。今年度は休校から始まり、いろいろな変化がありました。ホームスクーラーになったのもそのひとつ。

今回は我が家の長男のこの1年を簡単に振り返り、長男と過ごしてきて思うことを書いてみたいと思います。

 

4月から小学生になるはずだった長男、休校で一旦お預け状態に。
この頃は学校に行けるのを楽しみにしていました。

そして6月に入学式、分散登校が始まりました。
奇数・偶数に分けて週1からはじまった登校は、先生方は大変だったと思いますが、初めての環境に慣れるのに時間がかかる長男にとってはよかったのだと思います。現在ホームスクーラーの長男は、今も「分散登校くらいの人数なら学校に行けるのになあ」とつぶやいたりします。クラスの半分くらいなので15名くらい。前後に空間があり、騒ぎ声もそれほど気にならないので快適だったようです。

 

7月になってから通常登校になって1週間後くらいから学校に行き渋る日が月に2回ほど。他の日も一緒に学校に行ったり、付き添ったり、途中で補助の先生にバトンタッチしたり。

行きたくない理由もいろいろで、きっと何が嫌なのか本人もわかっていなかったのだと思います。

 

そして夏休みが終わり、9~10月は、行けない日が月に3日ほどになりました。
大人だってサラリーマンは有休があるんだし、まあ、休みたいときもあるよね、と思いながら様子を見ていました。
少し大人びたところがある長男は、幼さが残る友達との付き合い方に戸惑っている様子もありました。
(そのとき感じたことはコラム子どもに「学校に行きたくない」と言われたときどうしますか?に掲載していただいています)

 

そして11月から学校に行かなくなりました。
本人は学校に行きたい、けど行けない、という状態が続いていました。

最初は、友達から意地悪された、暴力を振るわれた、と言っていました。長男にはそう感じるけれど、まだ小1の男子、意地悪や暴力という意識はなく、そのとき思ったことや感情がうまく伝えられず、少し荒っぽい言動につながっていくことがあったのだと思います。私は、そうやって自分の気持ちを言うことは大事なことだよ、ただ、長男が感じていること、相手が意図していることは違うかもしれないから、お互いの気持ちを伝えることができて、理解する練習ができるといいねと話をしていました。そして何が嫌なのか、どうだったら学校に行けるかを聞き、それを先生に伝え、先生も理解してくださり、相手のお友達にも長男の気持ちを伝えてくれ、他の希望も可能な限り調整してくれました。

 

それでも登校することはできませんでした。

「学校に行けない自分が嫌だ」「全部一番になれないぼくはもう何もやってもダメなんだ」「他のみんなはできることがぼくはできないんだ」と話をするようになり、自己肯定感が下がっていることがよくわかりました。

このまま無理矢理学校に行ってもきっと続かない、まずは自己肯定感を上げることが彼にとって必要だと感じたので、私は自己肯定感について勉強し、彼の行動を具体的に褒める、感情を言語化することなどに取り組んだところ、少しずつ「ぼくはこれが得意だ」「これやってみたい」という発言が出てくるようになってきて、落ち着いてきた感じがします。

 

一緒にお昼ご飯を食べ、たわいのないことを話し、笑い、時には泣きわめき、辛い気持ちを吐き出し、ともに時間を過ごすことで彼をよく観察することができました。そして、私は自分との向き合う時間にもなりました。イライラする気持ちや他人を責めたい気持ち、子どもを信じたいと思う気持ち、不安な気持ち・・・。

正直見たくない自分もたくさん見えてきて、すごく落ち込んだこともありました。それを子どもにぶつけてしまったことも。

 

そうすると、長男は、いつも以上に不安になり、取り乱すことがありました。

 

ああ、わかっているのにできていない・・・私の不安定がまた彼を不安にさせている、ということを実際に感じ、改めて、まずは私がいい状態を保つこと。私の完璧主義をゆるくすること。できない自分でもまあいいや、を実践することにしました。

 

いつもできているか、というとできないこともあるけれど、それも含めてまあいいや、と思ってみる。

まずはそれを意識して過ごしています。子どもと過ごす時間は、自分と向き合う時間でもあるなと思います。

改めて、ホームスクーラーになった子どもと接して感じたこと。

 

親にできることは、子どもをよく観察し、それに合うと思われるものを提案してみる。やってみるかどうかの判断は子ども。子どもの気持ちを大切にしながら、話し合い、合わなかったらまた違うものを探して提案してみる。その繰り返し。

そうすることで、親が一番の子どもの理解者になれると思いました。

 

それをするために大事なことは3つあると思います。

一つめは親である自分を大事にする。

自分がいい状態でないと、子どもがよい状態になるのは難しいと感じます。親の様子を子どもはよく見ていて、感じ取っています。自分の気持ちを感じてみる。嫌な自分も認めてあげる。それだけでも自分を大事にすることにつながります。もちろん、休んだり、誰かを頼ることも必要です。

 

二つめは、ひとりで抱え込まない。

一つ目とも関わりますが、いろんな人に相談してみる、話をしてみる。いろんな人の話を聞いてみることが大事だと思います。

 

三つめは、知識をつける。

いろんな人の話を聞いたり、相談したりすると、いろんな意見が出てくると思います。そのときに自分なりに判断できるよう、それが子どもに合いそうなのかどうかを判断できるように本を読んだり、セミナーに参加したりすることも必要だと思います。

 

2年生からは学校に行くと言っている長男ですが、どうなるか・・・。行けたらいいし、行けなくてもまあいいか、と思っています。

彼の一番の理解者になれるよう、まずは自分を大事にし、いろんな人の意見を参考にし、知識をつけて判断していくことはかわらないし、まあいいか、を実践していきたいと思っています。

 

皆さんの1年はいかがでしたでしょうか。まずは自分を大事にして、ゆっくり休んだり、勉強したり、一緒に進んでいきましょうね!

 

 

◆これまでのコラム

この子は大丈夫、と思えること~その根拠はどこから?
子どもを信じるって何を信じるの? モヤモヤがすっきりした話

子どもに「学校に行きたくない」、と言われたとき、どうしますか?

感性キッズの本棚 「繊細すぎてしんどいあなたへ HSP相談室」
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 writer: とりいじゅんこ(7歳男子、5歳男子の母)

・キャリアコンサルタント
・産業カウンセラー
・「Menter For」公式メンター
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https://twitter.com/hschygge

 

 

 

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