2020年9月21日
2学期が始まって少し経ちました。少しずつ秋の訪れを感じられるようになってきましたね。
涼しくなってホッとするような、少しさみしい気持ちになるような・・・。
中には夏の疲れが出てきている方もいらっしゃるかもしれませんね。
中には「学校に行きたくない」と言っているお子さんもいるのではないでしょうか。
「学校に行きたくない」と言われたら、ドキッとしますよね。そして、どう対応しようか迷いますよね。
今日は最近起こった我が家の長男の行き渋りにまつわる出来事についてお話します。
我が家の長男(小1)、2学期が始まり、しばらくは元気に学校に行っていたのですが、学校が始まり10日ほど経ったある日、朝ご飯を残して「ごちそうさま」と席を立ちました。
彼は周りの人たちが「あんなに細いのに、どこに入っていくの?」というくらいたくさん食べるのですが、朝ごはんをあまり食べないときは
調子があまりよくないという朝ごはんがひとつの元気のバロメーターになっています。あれ、元気ない・・・?
それでもいつも通り学校の支度をし、いざ行く時間になって靴を履き、玄関を出て見送ろうとしたとき、
「学校に行きたくない!」と大泣きし始めました。
ああ、やっぱり調子が悪かったんだな、と思い、再び家の中に入り、彼の話を聞きました。
そのときは、給食のメニューが嫌だ、とか、授業が面白くない、簡単過ぎる、などと話をしていました。
実は1学期にも行き渋りがあり、そのときも始まって1週間くらい経った頃でした。私はきっと夏休みが終わって学校が始まってしばらくしたらきっと学校に行きたくなくなるかもな・・・と思っていましたので、特に驚くこともなく、そんなに行きたくないなら今日はお休みしよう、とお休みしました。
次の日、また朝ごはんを残したので「ああ、今日も学校行けないかな・・・」と思いながらもしばらく様子を見ていると、
準備はするものの、いざ靴を履こうとすると
「やっぱり行けない・・・」
ただ、この日は楽しみにしていた体育や音楽の授業があったり、給食も大好きなメニューだし、好きな授業受けて給食食べてくれば?と提案したところ、
「・・・そうしようかな」と言い出しました。
ところが、時間になっても行こうとしません。
「やっぱり行けない・・・でも行きたい」
そこでもう少し話を聞いてみると、
「・・・友達にいじわるされるから行きたくないんだ」
と言い始めました。
ああ、それが本当の行きたくない原因だったんだ・・と思い、よく話してくれたね、嬉しいよ、と言ってもう少し話を聞いてみました。
いじわるをしてくる(と本人が思っている)友達はいつも仲良くしていると聞いていた友達の名前が5~6人の名前が挙がりました。
内容を聞いても、まだ1年生、恐らく本人たちは「遊び」として楽しく遊んでいると思っているだろうな、と頭に浮かびました。
「背中にシールを貼ったり、蹴ったり、引っ張ったり、後をついてきたりするのが嫌だ」
「嫌って言ってもやめてくれないんだ。離れようと思ってもみんなついてくるんだ」
「みんな面白がっているけど、嫌なんだ」
「だから授業はいいけど休み時間が嫌なんだ、お昼休みも嫌だから給食も食べたくない」
そうかそうか、それが嫌だったんだね、嫌って言ってもやめてくれないのは嫌だよね、と話を聞いていると、長男が大きな声で
「人間は『おもちゃ』じゃない!」
そうだね、その通り。私は長男の心の声が聞こえて、ハッとさせられました。この子は深くまで考えている・・・。
我慢する必要はないから、嫌なことは嫌って言っていいこと、だけど、友達は長男のことが好きで、楽しく遊んでいると思っているかもしれない。長男も友達とは仲良くしたいと思っているよね?お友達の気持ちも聞いてみたらどうかな、そして自分の気持ちもわかってもらえる工夫もできるともっといいかもね、それを自分でやるのは難しいから先生に少しお願いしてみようか、と聞くと
先生にこのことを話してほしい
と言ってきたので、担任の先生に事の次第と、人によってどんなことが不快に思うかは違うということを機会があればお話してもらいたいこと、話せるタイミングがあれば長男に声をかけてあげてほしい、ということを伝えることにしました。
今日どうするか話し合い、休み時間が全て終わった最後の授業に行ってみることに。
登校中、よくわからない不安でいっぱいになっている様子だったので、まずは学校に行ってみて授業を受けてみよう。他のことはまた後で一緒に考えてみよう、と話をし、一緒に教室に向かいました。
友達もとても喜んで近くに来てくれたのですが、その距離の近さが長男は「嫌だ」と感じているんだな、と思いました。
先生が「嬉しいのはわかるけど、そんなに急に取り囲んだらびっくりしちゃうよ!」とフォローしてくださり、安心したようでした。
しかしやっぱり教室には入れない、ということで私も一緒に授業を廊下で聞きながら課題をやったりして過ごしました。
自分の気持ちを言えたことで安心したのか、一緒に学校で過ごしたことで安心したのかわかりませんが、次の日から今のところ元気に学校に登校しています。
「学校行きたくない」と言われたとき、無理に行かせるようなことはしたくないけど、すぐに休ませるのもどうなのか・・・そう思って迷ったり自分の判断に後で後悔したりする方も多いのではないかと思います。私もそうです。
今回は私が主導して一緒に学校に登校しました。今回は本人が行きたい気持ちがあったこと、先生も理解してくださっていること、学校に行きたくない理由を自分から言えたことをひとつの成功体験にできるといいなと私が思ったからそうしましたが、それがよかったのかどうかは正直わかりません。
子育てに答えはない。だから、そのとき、その子をよく見て、話を聞いて、受け止めて、感じて、信じる。
そして、また、よく見て、話を聞いて、受け止めて、感じて、信じる。この繰り返しなんだと思います。
親だって迷います。そんなときも、子どもをよく見て、話を聞いて、受け止めて、感じて出した答えなら、自信を持っていいのだと思います。子育てに正解はないのだから。答えがあるとしたら、それは子ども本人が持っているのだと思います。
長男も恐らくまた「学校に行きたくない」と言ってくる日があると思います。そのときにはまた違う対応をしていると思います。
子どもをよく見て、話を聞いて、受け止めて、感じて。信じる。
言うのは簡単だけど、実際にやるのは、とてもパワーがいるし、うまくいくことばかりではないはず。そんなときは、周りに相談する、サポートしてもらうことも大切だと思います。誰かに話を聞いてもらうだけでも気持ちが軽くなったり、気持ちが整理されたり、新しいヒントがもらえることもありますよね。自分のことはついつい後回しになりがちだけど、無理しないでサポートを受けることでラクになれば、それはきっと子どもにもいい影響があるはず。
私もこのサイトに集まる仲間と一緒に、時に笑いながら、時に泣きながら、サポートしてもらいながら、パワーをもらって進んでいきたいと思っています。
◆これまでのコラム
・感性キッズの本棚 「繊細すぎてしんどいあなたへ HSP相談室」
・我が子がHSCだと確信した出来事ってなんですか?
・「HSCちゃんの赤ちゃん時代ってどんな感じでしたか?」
・アーロン博士のドキュメンタリー映画を見に行きました!
writer: 鳥井純子(7歳男子、5歳男子の母)
・キャリアカウンセラー
・コーチ・メンター
・HSC/HSPメッセンジャー
photographer: 長束加奈(10歳男子、8歳男子、6歳男子 の母)
・日本パステルホープアート協会公認パステル和アートインストラクター
・HP: https://7iro-artwork.amebaownd.com
・instagram: https://www.instagram.com/kananatsuka