コラムColumn

うちの子育て奮闘記

この子は大丈夫、と思えること~その根拠はどこから?

2021年1月25日

 

前回、子どもを信じるって何を信じるの?という話をしました。

 

あれから少し時間経ってしまいましたが、その間も長男は順調に?ホームスクーラーの道を歩んでいます。

今はホームスクーラーの長男との生活も慣れてきましたが、行き渋りから不登校が定着するまでの間は、長男は自分がどうなっていくのか、どうしてこうなったのか自分でもよくわからず混乱、自己肯定感ダダ下がり、グダグダでした。
そんな様子に思わず母イライラ、そんな様子を見て長男また自分を責める、という悪循環が生まれつつありました。

あ、これちょっとよくないやつかも、と思い、意識的に観察して具体的にプロセスや決める力、できる力があることを伝え、ほめる、ということを継続してみたところ、少しずつよくなってきたように感じます。

 

 

不登校の子どもを持つ親向けの情報も最近はたくさんありますよね。
私もいろいろと検索したり書籍を読んだりしていますが、
たいていの書籍やコラムで書かれているのは「子どもを信じること」ではないでしょうか?

 

もうそれはその通りで、子どもを信じることで子どもに安心感が生まれ、自己肯定感が育まれ、自分はこれでいいんだ、と自分を大切にすることができるようになり、少しずつ元気を取り戻していけるのだと思います。

 

それはわかるけれど、いざ不登校になってうちにいて、勉強するわけでも何かに意欲的に取り組むわけでもない子どもを見ると、「このままで大丈夫だ」と思うのってなかなかに難易度高いですよね。

 

私はというと、もちろん不安になることもありますが、あまり心配してはいなくて「まあなんとかなるだろう。きっとこの子は大丈夫」と割と楽観的に考えています。

なぜ「きっとこの子は大丈夫」と思えるかというと、自分でその根拠を持っているからだと思います。

 

どんな根拠を持っているかというと、ちょうど学校に行きたくない、行けないと言い始めた頃、長男に少しでも外に出てほしくて公園に行って長男の好きなキャッチボールをすることにしました。

 

野球がうまくなりたい長男が、転がってくるボールを拾って投げる練習をしたいと言い出し、私が付き合っているときに学校から電話がかかってきました。先生もかなり心配してくだって、いろいろと調整してくださっていました。

先生の電話は今話をしないともう繋がらない、でも手をとめてここで電話をすると長男は話の内容や私の様子をすごく観察し、またいろいろ感じ取るからあまり話は聞かれたくない、と思った私は電話をしながら長男にボールを転がす、というあまりお行儀のよくないことをすることにし、片手で電話を持ち、片手でボールを転がすということをやっていました。

 

そんな中、長男は、ボールを私に返すときに私が片手でも取りやすいように渡してくれたのです。

 

私の様子を見ながら、優しく私にボールを返してくれる様子を見て、私は「こんなに人の状況を見て、それに合わせて対応できるんだから、この子は大丈夫だ」と思えたのです。

まあ、そんな状態だったら一旦終わらせるのが適切な判断では?と思うところもありますが、自分もボール拾いを続けたいし、きっと母はあまり電話の話を聞かれたくないのだろう、ということも感じ取って続けていたのだと思います。

 

これが私が「この子は大丈夫」と思える根拠です。

 

 

え、そんな事?と思う方もいらっしゃると思います。私は、そんな事でいいんだと思っています。

 

私もたまに「本当にこのままで大丈夫なのかな」と思うこともありますが、そんなときには、あのときのことをを思い出して、「でも私はあのときに大丈夫だと思えた。だからきっと大丈夫だ」と思うことにしています。

 

まずはどんな些細な事でも、子どもを観察して、自分が本当に子どものよいところやうまくできていると思うところを見つけてあげること。

 

そして、そのことを自分の中の「この子は大丈夫」の根拠として少し不安な気持ちが出てきたときに思い出す「心のよりどころ」とすることで、気持ちを強く持っていられると思っています。

 

もちろん、ごはんを食べない、寝ない日がずっと続いている、自分を傷つける、など本当に「大丈夫」ではない状態のときもあります。
そんなときは専門家に相談してください。

どうしても子どもが不登校になったりすると、自分の育て方が悪かったのか?と自分を責めがちです。

このサイトにたどりつき、このコラムを読んでくださり、「自分の育て方がよくなかった?」と自分を振り返ることができている時点で育て方が間違っていることはないはず。そもそも何が正解かなんて簡単にわかるものではないと思います。そんな簡単だったら不登校なんて生まれてないですよね。「正解・間違い」ではなく、「合っている・合ってなかった」なのだと思います。

これまでの対応が「合ってなかった」のであれば「合っている」ことを探していけばいい、と思っています。

 

どうか自分を責めることなく、子どもの自分が心からよいと思えるところを見つけて認め、
自分の「心のよりどころ」をつくってみてください。

「わが子は大丈夫」と思えると自分の気持ちも少し楽になります。楽しくHSC子育てしていきましょうね!

 

 

 

 

◆これまでのコラム

子どもを信じるって何を信じるの? モヤモヤがすっきりした話

子どもに「学校に行きたくない」、と言われたとき、どうしますか?

感性キッズの本棚 「繊細すぎてしんどいあなたへ HSP相談室」
我が子がHSCだと確信した出来事ってなんですか?
「HSCちゃんの赤ちゃん時代ってどんな感じでしたか?」

アーロン博士のドキュメンタリー映画を見に行きました!

 

 

 writer: とりいじゅんこ(7歳男子、5歳男子の母)

・キャリアコンサルタント
・産業カウンセラー
・「Menter For」公式メンター
HSC子育てを応援するサイト

 「HSC子育てヒュッゲ」https://hsc-hygge.com/を運営しています。

photographer: 長束加奈(10歳男子、8歳男子、6歳男子 の母)

・日本パステルホープアート協会公認パステル和アートインストラクター

・HP: https://7iro-artwork.amebaownd.com

・instagram: https://www.instagram.com/kananatsuka

 

 

 

 

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