コラムColumn

うちの子育て奮闘記

こだわり息子・料理の変遷と母の観念の書き換え

2021年8月3日

現在小学5年生、3つのフリースクールを渡り歩く息子が好きなことの一つ。

それは、「料理」です。

 

 

まだ保育園に通っていた頃、よく見ていたテレビはEテレでした。
その中でも、子ども向けのクッキング番組が好きで
(しかも彼が好きな戦隊モノ要素も加わっていたから余計に)何度も見ていたのです。

そんな息子の「初の創作料理」
それは…

「デラウェア(ぶどう)にバターをのせて、チンしたもの」

でした!!!

仕事で遅くなった私が帰宅した時に、
玄関まで来た息子は満面の笑みで報告してくれました。

「今、お料理してるの!」
「わー、なになに?」と台所へ連れて行ってくれ、見せてくれたのが…ソレでした(笑)

もちろん、一人でやったのではなく、レンジの操作はオットが見守ってくれていたのですが、まさかの組み合わせに度肝を抜かれた私は、本当に申し訳ないのですが

「母ちゃん、お腹いっぱいでごめんね…」

引きつった笑顔付きで答えたのです。

ちなみに、息子は「おいしい!」と平らげ、オットも「食べれなくはないで〜」と言っていました。

今思えば、そこまで不思議な味にならないとは思うのですが、
当時の私にはそれを受け入れるキャパがなかったのだなあとちょっと反省。

しかし、この一見止めたくなるようなアイデアを実現させてくれたオットには脱帽します、いまだにすごいと思っています。

 

 

もし私だったら、止めていたでしょうね。
そして彼の「やってみたい!!」という意欲を削いでしまったかもしれません。

その後も息子の謎料理は時々顔を見せます。

私はどちらかというと、新しい料理にチャレンジするときは

「ざっくりと把握しておき、細部はこだわらない派」(これもややこしいかも!?)

レシピをざっと見て、なんとなくこういう手順でこういう味付けか〜と把握すると、あとは細かいところを気にせずに突き進む。(時々よく読まないかららだ!と思うような失敗あり)

それに引き換え息子は…

絶対に、作り方を見ないスタンスを貫き通しています。

テレビや動画で料理のシーンを見たら、その記憶を辿りながら再現していきます。
と書くと、すごい記憶力のように見えますが、ざっくり把握。

 

ただ、材料はとてもよく記憶していて、流れは大まかに、調味料は何となく。
というような感じです。

初めは息子のこのやり方に、なかなか寄り添えない私がいました。

それは
「料理はレシピ通りにしたら美味しくできる」
「基本をマスターしているから応用ができる」
「材料を無駄にしない」
「効率よくやる」

などなど、自分では気づいていなかった観念が浮き彫りになってきたからです。

人は、一人一人違う観念を持っています。
料理に関してだけでも、上記のような人もいれば、そうではない人もいるでしょう。

それが当たり前、と知っているはずなのに…
「きちんとしなくてはいけない」という観念を持っていた自分に、びっくりもしました。

そして、それが口に出てしまったとき…
言い方はとても気をつけているのですが、息子には「自分のやり方を否定された、ストップが入った」と感じられるようで。

私がアドバイスすることに対して、彼の反応はというと。

「もういい」という言葉を残し、その場から立ち去り、そしてシクシクと涙したり、どよんと落ち込んでしまうのです。

これを初めて見たとき(それはもう本当に小さな頃でしたが)「えっ、こんな小さなことで…!?」と思ったものです。

 

 

私が思う小さなこと、それは例えば「卵はこう混ぜた方が混ざりやすいよ!」というようなこと。
同じHSPであっても、感じる幅や深さがちがうことを後に知ったのでした。

すべて「自分でやりたい」に最大の重点を置いているのが、息子のスタンス。
失敗したらそれはそれでまた落ち込むのだけど、それがあっても崩さない彼の大事なスタンス。

それにまだ気づけなかったり、私から見て「無謀」と思えることにはOKを出せなかったこと、何度も何度もありました。

ここくらいまでならいいか?この言い方なら?このタイミングなら?

いろんなさじ加減を試しつつ、双方が良い気持ちになることもあれば、奈落の底に沈むこともあり…

たがが料理、されど料理の時間を過ごしてきました。

 

 

そんな息子にも、私にも、最近変化が訪れています。

よっぽどのことがない限り、息子にお任せする時間が増えた私。
そしてうまくいかなくて失敗して、落ち込んだりしても(そしてまた私の不要なアドバイスが飛んだとしても笑)、以前よりはずっと短い時間で浮上してくることができるようになってきました。

ごく小さい頃は、浮上するまでに一日以上かかったり、自分を責める言葉も多かったのですが…
年とともに「耐性の幅が広がる」ことを実感しています。

 

 

以前は自分が食べる分しか作らない彼でしたが、最近は家族の分を作ってくれたりも。
これについては、通っているフリースクールで、彼の特技を発揮できる場を作ってくれたことも大きな力となっています。

そうそう、最近のヒットはこちらの料理!

動画で見たものを再現したナス&チーズ焼き、フルーツポンチです!
さらに、私が不在だった時に自分のお弁当をキャラ弁で制作。
彼が大好きなマインクラフトのスキン(自分のキャラクター)そっくりに作りました!

 

 

「やってみたい」ということをいかにそのまま、できる環境を用意できるか。
大人はどれくらい、「お口チャック」できるか。

そんなことを息子の料理から学ばせてもらったと感じています。

・・・と!

ここまで書いて、コラムを完成にした直後。

「タコ飯を作る」と張り切っていた息子が、タブレットを持ってきました。

そしてなんと…!
料理実況動画を見ながら作り出したではありませんか!

 

 

これは私にとっては180度転換くらいのこと。
無事タコ飯を炊飯器に仕込んだ後に、息子に聞いてみました。
いつもは見ないで作るのに、今日はどうして?と。

「だってさ、分量がきっちりしている方が、美味しくなるんだよ。お菓子とかもそうやん」

自分がやりたいようにやってみたい!という思いと、行動することもすごく大切です。

その欲求は人の根底にあるようにも感じます。
これを満たせることは、「自分が自分の人生を作っている実感」とつながるのではないかと思います。

そこを少し抜けて「あるパターン」を見出したり、実行することで、得たい結果「美味しい料理を作ること」にシフトした瞬間を見せてもらった感覚でした!

ここから息子の料理を通した世界、そこから波及するものがどう変化していくのか、とても楽しみです。

 

 

◆これまでのコラム

第1回目「こんな楽しみ方があったのか!」
https://kanseikids.com/200705/

第2回目「ゲームへの憧れをつのらせるの巻」
https://kanseikids.com/200715/

第3回目「ついにやってきた宝物!!の巻」
https://kanseikids.com/200727/

第4回目「待望のマインクラフトへの没頭!の巻」
https://kanseikids.com/200814/

第5回目「建造物の魅力にはまりまくり!〜の巻」
https://kanseikids.com/200828/

最終回「ゲームで得たものは何だった?の巻」
https://kanseikids.com/200917/

HSC洞察系の息子とゲーム 番外編 息子の変化、その後の巻
https://kanseikids.com/201011-2/

「神発言」どうぞっ!〜HSC洞察系の息子からのドキドキメッセージ
https://kanseikids.com/201130/

「HSC作品展」〜子どもたちの心の言葉を見て、感じてください。1月19~24日@東京・恵比寿&オンラインhttps://kanseikids.com/21011902/

「歯が抜ける!!!その痛みと、気持ちへの寄り添い」~私がとった行動
https://kanseikids.com/210223/

子どもの「怖い絵」からのメッセージ~創作の時には、何をしても大丈夫。
https://kanseikids.com/210326/

writer: AKARI(10歳小5男子の母)

・MIERUKAアーティスト

・「自分を変えるより、自分に還る」をテーマに、
あなただけの魅力を引き出すセッションや講座等をお届けしています。

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